2013年06月13日
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三百字小説『ひなたぼっこちゃん』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 ひなたぼっこちゃんは、ひなたぼっこ専用ロボットだった。忙しくて陽に当たれない人間の代わりに太陽を浴びる役割だった。

 「これが浴びた太陽エネルギーです」とひなたぼっこちゃんは、太陽の力を配って回った。

 しかし、誰も契約を解除しないまま疫病で人類は死滅してしまった。

 ひなたぼっこちゃんは、契約通りにひたなぼっこを続けた。

 溜まったエネルギーを受け取る人はおらず、エネルギーは更に溜まる一方だった。

 仕方がないので、エネルギーを浪費する人類を創造したが、逆襲されて壊されてしまった。

(遠野秋彦・作 ©2013 TOHNO, Akihiko)

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