「読まないの?」
「おい、これは本当にヤマトコミックなのか? 表紙がヤマトっぽくないぞ」
「うちで一番人気のコミックです」
「おそるおそる……。なんだこれは。ヤマトにこんな面白いコミックがあったのか。素早くページをめくりめくり。私は今感動している」
「どうよ」
感想本体 §
「じゃあ、3巻は良かったの?」
「非常に良かった。嬉しかった」
「どこが良かった?」
「ガンツとヤレトラーが生きた人間に見えた」
「それだけ?」
「いや、ガンツが泣いた」
「ガンツが泣くことが重要?」
「もちろん。ガンツ泣きという言葉まで作って使っている男だ」
「ヤレトラーは?」
「ヤレトラーの死は、本当なら物語の重要なターニングポイントだ。ヤレトラーを殺してしまった瞬間に、ヤマトは古代守を殺してしまったガミラスと同じ立場に立つ」
「ヤマトは遊星爆弾さえ発射不能にすれば良くて、全滅させる必要は無かったわけだね」
「そうだ。従って、このあとの物語は、ガミラスの内部分裂と、ヤマトの内部分裂に軸足が移っていく。どちらにも正義はないから当然だ」
「ガミラスの内部分裂って?」
「デスラーは酔った冗談男を落とすし、ディッツとゼーリックは対立するし」
「ヤマトの内部分裂って?」
「オルタを殺そうとする伊東と止める真田の対立」
「なるほど。だから、EX178の内部分裂の話に続くわけだね」
「そう。ヤマトとガミラスは協力すべき存在となり、メルダと山本の激闘は和解に続く」
「まとめると?」
「そうだな。そういう意味での流れをコミック版はアニメ版よりも、もっとよく描いている……ように思う。そこは一人で描いているコミックの勝ちだ」
「一人? それが重要?」
「うむ。この場合は重要なファクターだ」
「なんで重要なの?」
「その話は、2199が完結してからな」
「ケチ!」
オマケ §
「兄弟ってののどこがふるいんだ~♪」
「は?」
「思わず歌っちゃったよ」
「なんだそりゃ」
「ソウル・ブラザーだよ」
「分からない」
「宇宙船サジタリウス 歌と音楽集に入ってる」
「ヤマト関係ない」
「全く無縁とも言い切れない」
「なんでだよ。宇宙だからかよ」
「いいや」
「じゃあ、なぜ?」
「第五章のエンディング歌った影山ヒロノブさんが歌ってるから」
「でもなんで兄弟なんだよ」
「ガンツとヤレトラーが兄弟なので」
「えー」