「映画館で予告を見た」
「飛行機の映画だろ? それで感想は?」
「鉄道描写と軍艦描写が格段にアップしている。特に鉄道描写」
「は? 飛行機の映画だろ?」
「そうだ」
「なのに鉄道描写? 軍艦描写?」
「そうだ」
曲がった煙突 §
「上のページにあるような曲がった煙突の軍艦がチラッと見えた。これは新しいテイストだ」
「どこが新しいわけ?」
「この手の描写は、どうしても第2次大戦風になることが多い。そうでなければ日露戦争風。中間期の描写は珍しい」
「曲がった煙突に意味があるの?」
「長門だとすると、それは意味深。軍縮条約時代の戦艦なので、制限された主力艦を補うために航空機開発に力が入った時代だ」
「だから飛行機の映画に登場する意味があるわけだね」
鉄道描写 §
「宮崎映画の死角は鉄道描写。けっこう甘い描写が多い」
「たとえば?」
「魔女宅の勾配標みたいな腕木信号機とか」
「それで?」
「今回の映画は、かなり鉄道描写がいい感じだ。3等客車も含めて。蒸気機関車も九六っぽく描いてあったし」
「九六艦戦?」
「いや、9600だよ」
「知らないよっ!」
「陸奥と長門は日本の誇り。8620と9600は日本の誇り。覚えておけ!」
「前者はともかく、後者は知らないよ!」
「しかし、コクリコ坂のモハ72系といい、ジブリの鉄道描写は良くなっているから今回も楽しみだ」
楽しみだ §
「でもこの映画の評判悪いよ」
「関係ない」
「なんで?」
「オタクの映画評など、あてになった例しがない。自分の目で確かめるよ」
「曇り無くマナコで見定めるのだね?」
「そうだな。すくなくともナマコでは見定めない」
「ぎゃふん」