Written By: 遠野秋彦
9人の鞍馬選手がいた。
国家の威信を掛けて育成されたスーパー鞍馬エリートだ。
彼らは全員が金メダル級だった。
彼らがいれば金メダル間違い無しと誰もが思った。しかし、いざ蓋を開けてみると誰も金メダルを取れなかった。
金メダルは1つしかないので、9人のうち誰が取るか揉めている間に競技の時間が終わってしまったのだ。
反省した9人は上位9位まで全員で独占することで妥協し、翌年リベンジした。
しかし、オリンピックは4年に1回だった。
(遠野秋彦・作 ©2013 TOHNO, Akihiko)