「若い頃に、オーディオに凝ったら青天井というのが目に見えていたので、それは避けることにした」
「青天井って? 百万の機材を買うってこと?」
「オーディオのために家を建てるところまで行くって事だ」
「ひ~」
「だからさ。音が出ればいいと割り切って、ミニマムのシステムを模索して、結局、TEACの小形スピーカーとAudio-Technicaの小形アンプを買った。そして、とっくに壊れて処分済みの安めのSONYのCDプレイヤーに接続していた」
「ふーん。それで?」
「でもね。そのミニマムなシステムすら置けない事態が発生した」
「それはなに?」
「録画用VAIO軍団をラックに並べたら、あれはけっこう大きいので、アンプやスピーカーを置く場所が無くなってしまった。たぶん2000年前後の出来事だ」
「えー」
「それ以来、アンプとスピーカーは寝ていた」
「そうか」
「しかし、アナログ録画の時代は終わり、VAIOも初代Akaneらと一緒にドナドナされていった」
「オーディオ復活のチャンスだね」
「とても、オーディオとは呼べない貧弱なシステムだけどね。でも、テレビのスピーカーよりはずっといい音が出る」
「復帰したんだね?」
「そう。ただし、接続する相手は最新のBDレコーダーだから、そこはかなり違う」
「旧式のアナログアンプ、スピーカーに最新のBDレコーダーかよ。接続できるの?」
「LとRのピンジャックがあるからOK」
「USBとかじゃないのね……」
「そんな端子はこの時代のアンプにはないっ!」
「ひ~」
「もちろん、iPodのドックコネクタもない!」
「いいのかよそれで」
「いいぞ」
「なんで?」
「iPodといえば、うちには壊れたiPodしかないから」
「ぎゃふん」
感想 §
「それで復帰させた感想は?」
「うん。やはりテレビのスピーカーよりも格段にいい音が出る」
「じゃあ、満足?」
「とりあえずは。でも、いつ壊れてリタイアするか分からないロートルだからな」
「ひ~」
「でも悪くは無いぞ」
「なんで?」
「テレビもDVDも全部アンプスピーカー経由で聞けるから」
「テレビ見るときもBDプレイヤーで見るの?」
「そうだ。いつもやってたことだ」
「なんでテレビでテレビ見ないの?」
「チャンネル切り替えが遅いから、テレビのチューナー使わないことになれてしまったよ。だからテレビの時もアンプの電源入れればそっちから音が出る」
「ぎゃふん」
「アンプの下にあるのはJCOMのSTBね。その横にあるのはLANのハブ」
「そこはこの話と関係無いってことだね」
「そう。写真にはアンプとスピーカーが写っている。それだけ見ればいい」