2013年08月06日
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世田谷文学館での豊田有恒さんの講演のヤマト感想

Written By: トーノZERO連絡先

「豊田有恒さんが何を語ったの?」

「初期のアニメとSF作家の関わり」

「なんで?」

「多数のSF作家が初期のアニメの関与したから!」

「歴史の話ってことだね」

「そうだな。世田谷文学館ってのはそういう場だ」

「それでどれぐいヤマトを語った?」

「少し。質疑応答コーナーでも少し。最大の話題はやはり手塚さんの話題だからね。でもヤマトも虫プロ系の人材が作ったと思えば遠くは無い」

「へー」

「でも、ハイジの話題はほとんど出ないのに、猿の軍団の話題もちゃんと出たのが偉い」

「なんで?」

「だって、豊田有恒さんは猿の軍団のメインスタッフの一員でもあるから」

「ぎゃふん」

感想 §

「面白い話はいくらでもあるが全部飛ばす」

「なんで?」

「面白ければ面白いほど、中身はやばいからだ」

「えー」

「ちなみに、豊田有恒さん本人からヤマトの話を聞くと、またちょっと違う。面白い」

「違うってどういうこと?」

「豊田有恒さんは、裁判で西崎サイドではなく松本サイドにいたわけだが、松本零士側から漏れ伝わってくる話とも、どうもまたちょっと違ったニュアンスだった」

「それってどういうこと?」

「ヤマトの真実は人数分だけあるのだろう」

「えー」

「豊田有恒さん、取っつきにくいところもあるけれど、実はけっこう冷めた突き放した視点でものを見ている人だからね。韓国が好きだろうが原発について言及しようが、イデオロギー的なサイドとはやや違う場所にいる」

「だから微妙に違う見方があってもおかしくないわけだね」

「事実かどうかは知らないよ」

「じゃあ、韓国の話をしたの?」

「いや、してない。その場のテーマが分かった人だから、関係無いことは言わないよ」

「原発の話は?」

「少ししたけど、SF作家のグループで見学に行ったときの話だから、やはり推進とか廃止とか言う話とは違う」

「わざわざ言及する意味があったの?」

「笑える話がいくらでもあったから話したのだろうが、もちろんここで明かす気は無い」

「ケチ!」

私的な感想 §

「出渕さんは豊田有恒さんのいわば身内みたいなものだからね。否定はしない。けれど肯定できるかといえば、それも微妙な空気感がある。その曖昧な矛盾したポジションがやはりいちばん面白い」

「えー」

「しかし、それは当事者だから立てる立場。だから思ったよ」

「どう思ったの?」

「全てのヤマトは他人のヤマト。そして、他人は複数いて、それぞれのヤマトは違う。おいらのヤマトは存在しない」

「存在しなくていいの?」

「いいとか悪いとかではないよ」

「じゃあ、なんでヤマトを見るの?」

「ヤマトは見るものだから」

「は?」

「他人のヤマトだから見るんじゃないか」

「ああ、そうか。自分のヤマトなら自分で作るものであって、見に行くものじゃないわけだね」

「そうだ」

「でもさ。同人でも何でもヤマトを作れば、それが君のヤマトになるわけだろう?」

「そうだ。そういう意味で、ファン側でも自分のヤマトを持つ人は大勢いるけれど、おいらは該当しない」

「なんで?」

「突きつめるとヤマトではなくなってしまうからだ」

「なんでだよ。凄いヤマトをなぜ考えない」

「考えると、オルランド・2Kクラス・バトルクルーザー『カズサ』になり、ルム級巡洋艦『オスルム』になり、JSS-HC3『高尾』になってしまうのだよ」

「JSS-HC3ってなに?」

「Japanese Star Ship, Heavy Cruiser No.3ってことだ」

「あ。誤字だ。高尾じゃなくて高雄だろ?」

「高尾なんだよ」

「なんで? 巡洋艦なら高雄だろ」

「理由は今のところ秘密だ。ストーリーに関わる重要な意味がある」

「どんなストーリーだよ」

「ないしょ」

「じゃあ、なんで模型のヤマトは作ったわけ?」

「気の迷いだ」

「でもさ」

「そもそも、あれは玉盛ヤマトであって、おいらのヤマトではないよ」

「改造したじゃないか」

「再改造は休止中で困った困った」

「えー」

「思い切って、エイヤッと始めればそれでいい話なんだけどね。お手本が無いからそれで上手く行く保証が無い」

「ならやれよ」

「今は、アベンジャーを作りたい」

「アベンジャーも早く塗れよ。ヤマトメカなんだろ!」

「実は透明パーツがけっこう入っているのでマスキングしないと塗れないの」

「そんなつまんない理由かよ!」

「でも、その前にオリョーノク完成させないと」

「なんでだよ」

「いつ入荷するか分からない輸入模型がやっと来たから!」

「そんなつまんない理由かよ!」

宇宙戦艦ヤマト

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