「精密図解集ではヤマトは外宇宙巡洋戦闘艦」
「えっ? 戦艦じゃないの? 超弩級じゃないの? BBY-01じゃないの?」
「そもそも、戦艦をあっさり撃破していくヤマトを戦艦と呼ぶのはちょっと変。超弩級というが、弩は当て字で本来ドレッドノートというイギリスの戦艦を意味する。大昔の水上戦艦を基準に宇宙戦艦を考えるのも変。BBY-01というような表記はまるで海上自衛隊の護衛艦だが、旧日本海軍的ではない」
「君が考えた【JSS-HC3高尾】もそうなの?」
「いや、こっちはアメリカ式に近い。USS Brooklyn (CA-3)みたいなものだ」
「USSに対抗してJSSってことだね。でもHCとCAはなんで違うの?」
「CAって何だと思う?」
「キャビン・アテンダント」
「自分の願望を語るんじゃない。アメリカ海軍だとHeavy cruiser(重巡洋艦)をCAと略記するのだ」
「軽巡洋艦は?」
「CLだ」
「じゃあ、外宇宙巡洋戦闘艦だとなんて語ればいいんだ?」
「そもそもアメリカ式に名前が付くことは無いだろう。日本で改造されたヤマトだ」
「うーむ。なるほど」
「ちなみに、アメリカ式だと巡洋戦艦はCCで、これが外宇宙巡洋戦闘艦に一番近いニュアンスの記号だろう」
「でもCC-YAMATOとは書かないわけだね?」
「そうだ。アメリカ式のネーミングは似合わない」
「残念だ」
「しかし、何かの略号で書いてみたい誘惑はあるよね。外宇宙巡洋戦闘艦ヤマトだったらSC-YAMATOっていうのはどうかな」
「SCってなに?」
「Space Cruiser。つまり、Space Cruiser Yamato」
「ぎゃふん。横にマルシー・アカデミーって文字が見えたよ」