「見た目諸君。今我々の目の前に1/700フルハル摩耶がある」
「なんで摩耶なんだよ」
「ポケット空中戦艦摩耶だ」
「えーと、ヤマト関係無いよね」
「そうでもない」
「なんで?」
「そもそも原点に立ち返ろう。宇宙戦艦ヤマトは、西遊記がベースだ」
「有り難いお経の代わりに放射能除去装置をもらいに行くわけだね」
「そうだ。お経だ。従って、空中戦艦大和にお経が書いてあるのはある意味で素直な表現だ」
「えっ? そこにつながるの?」
「そうだ。そして、お釈迦様が西遊記の黒幕だ」
「お釈迦様がどうした」
「だからさ。お釈迦様の母親が摩耶夫人(まやふじん/まやぶにん)という」
「だから摩耶が似合うって言いたいのか? でも違うぞ。重巡洋艦の名前は日本の山から取られているんだ。他の国の女性の名前を使うものか。戦艦武蔵だって、宮本武蔵じゃなくて武蔵国だぞ。人名なんて使わない」
「……と思うだろ?」
「は?」
「重巡洋艦摩耶の名前の由来は兵庫県の摩耶山」
「そうだろ? 日本の山だろ?」
「でもね。摩耶山の名は空海が天上寺に釈迦の生母・摩耶夫人(まやぶにん)像を安置したことに由来するってことで、実はそのままお釈迦様の母親に一直線なんだよ」
「えー。まさか」
「だからね。ヤマトファンが摩耶を作るのはある意味で間違って無い」
「ヤマトの呪縛から逃れられない奴」
「で、そうなってくると暗に西遊記をバックにしたヤマトをバックにした空中戦艦大和に摩耶が随行するのは間違っていない」
オマケ §
「結局、アオシマ1/700フルハル摩耶をAmazonでオーダーしてしまった」
「なんでだよ、真似をする気か?」
「いや、普通に作るよ。空は飛ばせない」
「理由が分からないよ」
「旧日本海軍の条約型巡洋艦なんて、今さら……と思ったよ」
「利根は買ってあるじゃないか」
「15センチ砲を搭載した利根って見たことないから、自分で作ろうと思っただけだ。普通の利根ながら、素晴らしい作品が既に山のようにあって自分の出番などない」
「えー。それは摩耶も同じじゃん」
「実はちょっと違う」
「なんで?」
「摩耶だからだ」
「意味分からないよ」
「摩耶は3番砲塔を外して対空兵器を増設しているからシルエットが他の条約型巡洋艦とは違ってくるのだ。そして、子供の頃はそれが解釈できなかった」
「へー」
「それにね。自分が見飽きた条約型巡洋艦とはほとんどウォーターラインモデル。フルハルのはそれほど見ていない」
「分かった。フルハルの摩耶という条件が付けば君にも作る意味があるんだね」
「もっとも1/350では大きすぎるので手に余るけどね」
「だから1/700か」
「まあ、おいらが作ってもマヤカシの摩耶にしかならないけどな」
「ダジャレで締めたよ」
オマケ2 §
「ちょっと意味が無いどうでもいいことに引っかかった。旧海軍の重巡摩耶の2代目艦長は山本さん、3代目艦長は新見さん、13代目艦長は加藤さん」
「そんなところだけ見ているなよ」
オマケIII §
「でも、この摩耶は面白いランナー構成だぞ」
「なんで?」
- 摩耶専用
- 鳥海と共用
- 高雄型で共用
- WL版と共用
- WLシリーズ共通の装備品パーツ
「凄く合理的に考えられているってことだね」
「パーツもけっこう余りそうだ」