「申し込んだけど、落選したので、ネット中継で見た」
「感想は?」
「講義を受けたような気分だ。かなりヘビーで疲れた。でも、もの凄く面白かったぞ」
「どんな話題が出たの?」
「要するに天文学だが、エンケラドゥスとか、VLBI望遠鏡とか、グリーゼ581とか、エッジワースカイパーベルトとか、EKBOとか、ハビタブルゾーンとか、気になった用語はほとんど網羅された」
「へー」
「特にさ。大マゼランは実在するか、バラン星は実在するか、といった話は面白いよね」
「大マゼランは実在だけどバランは虚構だろう」
「ところが、バラン星のような孤立した惑星は実在するというから、けっこう驚きだ」
「銀河間空間でも?」
「ハローにあると言うぞ」
「へー」
「話が七色星団で終わってしまったのが残念だ」
「なんで七色星団?」
「だって、七色星団の決着、TV放送の前日だから」
「な、なるほど……。TV見てる人にネタバレはできないね」
「結局、知ってる知識は知ってる知識だったけど、その先の話が多くてね。ためになった」
「たとえば?」
「グリーゼ581については調べたからおおむね分かっているのだが、グリーゼ581の既知惑星についてまでは調べていなかったよ」
「惑星があるってことだろ?」
「いや、複数の惑星が確認済み」
「えー」