「最近、Xbox360でMinecraftをやってるわけだが」
「うん」
「人気が凄い」
「どれぐらい?」
「Xboxのキャンペーンのページで紹介されるのはMinecraftとモンハンってぐらい」
「全く傾向が違うゲームだよ」
「うん」
「そもそも君がMinecraftをやる理由ってなんだい?」
「なぜこれが流行るのか考えること」
「結論は出た?」
「最初はブロックを積み上げるのが面白いのだろうかと思った」
「なんで?」
「事実として、自分の子供の頃の主要な遊びはダイヤブロックやレゴだった」
「ふーん」
「でも違った。そうではない。Minecraftはデフォルメ世界シミュレータなんだ。実際の今どき流行っているゲームはデフォルメ世界シミュレータ」
「デフォルメ世界シミュレータとはなんだ? 世界シミュレータなら分かるような気がするけど」
「うむ。簡単に言えば以下の通りだ」
- 法則性のある世界をシミュレーションするゲームだが、法則性はデフォルメされている。つまり現実の世界とそっくりではないが、単純化されている
「リアルじゃないってこと?」
「考えようによってはその通りだ」
「それにどんな意味があるの?」
「だからね。デフォルメ世界シミュレータって括った瞬間に、Minecraftとモンハンは同じカテゴリに入るの」
「は?」
「モンハンもね、モンスター倒すだけではなく、素材を集めてアイテムを作ったりするわけだが、当然そこに法則性が存在する。デフォルメされてはいるけどね」
「そもそも、デフォルメ世界シミュレータの特徴って何?」
- 法則性が存在し、総則性に反しない限りやり方は自由
- 明瞭なストーリーやゴールが存在しないか希薄
- 複数プレイヤーで世界を共有できる (シングルでも行ける)
「なるほど……」
「そう考えると、3DSのファンタジー・ライフも同じカテゴリに入る。あれも複数の職業を極めていくが、素材の入手方法は問われない。モンスターを倒してゲットした素材でも、人からもらった素材でも区別されない」
「法則性が存在するわけだね。でも、それって昔からないか?」
「あるよ。シムシティーとか、A列車で行こうとかも、このカテゴリと言える。しかし、今ほどは流行っていなかったよ」
「ドラクエやFFがメインだった、ということだね」
「でも、今やドラクエやFFも、デフォルメ世界シミュレータ的になっている」
「素材集めてアイテムを作ったりするために、ギルドに入ったりするわけだね」
「そうだ。しかし本題はここからだ」
「えっ? これって本題じゃないの?」
「そうだ。実は自分が作ってきたANGFも結局はデフォルメ世界シミュレータなんだ」
「なんで? ノベルゲームのフレームワークなんだろ?」
「シェアワールドの機能を使用して世界を拡張していけるアーキテクチャは、世界のデフォルメされた法則性があるから可能なんだ」
「どうして?」
「Aというモジュールの機能で得ても、Bという拡張モジュールの機能で得ても、同じアイテムの効能は同じだってことだ。あるいは、Aというモジュールに含まれる場所に、Bという拡張モジュールに含まれる服を着て出向くこともできる。Aというモジュールの開発者はその衣服のことを何も知らなくても行ける」
「それがデフォルメされた法則性ってことだね」
「現在推し進めようとしている方向性も、デフォルメ世界シミュレータとしての価値を高める方策と言えるし」
「でも最近はあまり進んでいないよ」
「金が無いからだ。面白いから出資するという人は大歓迎だ」
「どれぐらいあれば足りるの?」
「そうだな。大の男を縛り付けて開発に専念させたら君のお小遣いでは足りないことは間違いない」
「えっ? なんで僕のお小遣いの額を知ってるんだ?」