「久々に本屋に行ったら思わず買っちゃったよ」
「どこの本屋?」
「下高井戸の啓文堂。入り口に大量に並べてあったから、いやでも目に入る」
「君は今更京王の本だからと言って買わない主義ではなかった?」
「まあ、特に事情が無い限りは買わないな。普通の京王の本はもうお腹いっぱいだ」
「今回は事情があったわけ?」
「普通の京王の本というのは、要するに電車の本だな。自分が今見たいのは電車の本ではない」
「じゃあバス?」
「違う。周辺地域の風景や駅舎などだ」
「この本はそうなの?」
「建設工事中の池の上~下北沢感の橋脚の写真なんか感涙ものだ。まわりに何も無いぞ」
「えー」
「初台駅の線路切り替えの案内板とか。多摩動物園の写真とか。駅じゃ無くて動物園」
「動物園の写真が関係あるのかよ」
「京王とは密接な関係がある」
「他には?」
「新宿駅のパンダの写真とか」
「パンダは上野じゃないの?」
「新宿にもいたんだよ。機械のスタンプパンダが」
「えー、機械かよ」
「でも人気者」
「明大前駅ホームにあった池とか。さがすと本当に目が点になるような写真があるな」
「あれか!」
「あとでじっくりもう1回見よう」