2013年10月04日
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2199第26話・充分に発達した科学は魔法と見分けが付かないとは何か

Written By: トーノZERO連絡先

「2199第26話で真田さんが言っているのは、こういうことだ」

クラークの三法則より

  • 3.充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない。

「2199の独創では無いわけだね」

「昔からある泣けてくるほど古い話だ」

「なぜ泣く」

「まさに、最近そういうことを実感しているからだ」

「というと?」

「高名な魔法使いが魔法の言葉を唱えると、それだけで何かが起こるという誤った信念がけっこう広範囲に流布されているぞ」

「たとえば?」

  • OSをWindows 8に入れ換えると画面へのタッチ操作が可能になる。
  • OSをiOS7に入れ換えると防水になる

「それはどういう意味だい?」

「相手を機械だと認識して扱っていれば、ありえないことがすぐ分かる」

「そういえば、昔、備長炭をPCの横に置くと性能が上がるって俗説があったね」

「エイプリルフール記事を本気にした事件だ」

「で、結局どういう意味だい?」

「タッチや防水はハードの問題だから、ソフトのバージョンを上げても変化する訳が無い。ところがソフトのバージョンを上げるだけでハードも変化すると思い込む人がかなり多い」

「なぜだい?」

「ソフトとハードの区別もよく付かず、人が考えて作った機械ではなく、まさに魔法扱いしているのだろう」

「でもさ。普通の人は技術なんて分からないから、魔法扱いでもいいんじゃないの?」

「良くないよ。魔法扱いした瞬間に詳細が何もかも神秘の世界に行ってしまって、考えても分からないことになってしまうんだ。でもね、実際は分かるんだ。詳細の知識はなくても、それが機械であり、電子回路であり、人が作ったソフトウェアであると分かっていれば、誰に文句を言えば直るのかが分かる」

「実際はどうなんだい?」

「善なる魔法使いスティーブ・ジョブズが悪の帝国マイクロソフトと戦い善良な魔法で人々を幸福に導く、というフィクションがあたかも事実であるかのように流布され、それを人々が信じてしまう。どこにも事実としての根拠は無い。でも信じてしまう」

「それって、MS製品のユーザーは賢く、Apple製品のユーザーは馬鹿だって主張?」

「まるで違う。MS製品にも魔法を信じる愚かな利用者は多い。そもそもXX社の製品を使っていると言うだけで人を区別できるという発想そのものがおかしい。ある程度のマスがあれば、どのような利用者もいると思うべきだろう。むしろXX社の製品を利用している君たちは普通の人とは違う優秀な客層だ、という主張は真っ先に疑うべきだ。使うだけで優秀になれるなら、こんなに便利なことはない」

「じゃあ、結局何が悪い訳?」

「健全な疑う心を持たざる、ただ信じる者だ」

「でもさ。信じて何か悪い訳?」

「悪いよ。自分で考えることを放棄したら、詐欺師につけ込まれるだけであり、結局は自分で自分を傷つける」

「じゃあ、ヤマト2199の場合はどうなんだ?」

「艦内では幽霊を見たという話になっているが、実際は幽霊ではなく古代守の記憶がビジュアル化されたものなのだ。それはコスモリバースというシステムの一部であり、真田や新見はそれを認識でき、コスモリバースの問題として扱おうとする。しかし、他の部署の者達はあくまで幽霊として扱ってしまう」

「それで、何の問題があるんだい?」

「幽霊として扱うと、コスモリバースの停止と幽霊の出現の因果関係を把握できない。その結果、地球に戻っても欠陥品のコスモリバースを掴まされた愚か者集団として糾弾されかねない」

「実際は勝手に再起動したよ」

「その意義も分からないってことだ」

「偶然?」

「そうだ。彼らには偶然直ったとしか見えない。しかし、偶然に依存した成功は繰り返せない。だから同じ事が繰り返されると必ずいつか失敗する」

宇宙戦艦ヤマト

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