「凄いぞ。新事実発見」
「なんだい?」
「明大前の玉川上水水道橋。現在通れる場所の反対側にも通行可能スペースが存在するが通行はできない。それを確認してきた」
「そんなの、航空写真で分かるじゃないか」
「待て待て。話はその先だ」
「なんだい?」
「西からアプローチするとあたかもそれが橋であるかのごとく接続する道路が存在する。実際には、策で囲われて橋には入れない」
「ふーん。それで?」
「東からアプローチすると玉川上水公園になる」
「それで?」
「実は玉川上水公園の水道橋東側の部分は、公園が二股に分岐する構造になっていて、1つが道に合流する」
「もう1つは?」
「不自然に途切れてその先に行けない。明らかに行けそうなスペースがあるのに行けない」
「は?」
「つまりね。玉川上水公園が開園した昭和43年12月7日の時点で、水道橋の南側部分も通常の道として通行可能となることが想定されていたのだよ。おそらく公園を計画して設計した時点では、そこを周辺住人が普通に通過していたのだろうと思う」
「つまり、昭和40年代頃までは通行可能だった?」
「その可能性はある」
それから §
「実はもう1つ気付いたのだが。水道橋の西側の土地が不自然にえぐれていて、縦に2本並んだ水道管が見えている」
「井の頭線の線路の上じゃ無いのか?」
「違う。線路はもっと東」
「じゃあなんだい?」
「本来、明大前の甲州街道北側の谷と、南側の谷は接続していない。人工的に連続するように掘られたものだ。そのとき、北側の谷は本来こちらに切れ込んでいたのではないか。そんな気がした」
「確実?」
「それは分からない」