2013年10月17日
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三百字小説『オシャマンベール・チーズ』

Written By: 遠野秋彦連絡先

「そうだ。有名なカマンベール・チーズに対抗してオシャマンベール・チーズを作ろう」

「それが新しいご当地特産品ですか?」

「でもここじゃ長万部じゃないですよ」

「オシャマンベールだっ!」

 村長のごり押しでチーズは発売された。

 驚いたことに、それは飛ぶように売れた。まさか、カマンベールと間違われているのでは無いかと思って調べるとそうでもはなかった。長万部とも混同されていなかった。

「村長、なぜこのチーズが馬鹿売れなんですか」

「チーズ作るときに一工夫をね」

「どんな隠し味ですか?」

「高かった輸入品の魔法の粉をパラパラと……」

 しばらくして村長は麻薬不法所持で捕まった。

(遠野秋彦・作 ©2013 TOHNO, Akihiko)

遠野秋彦