「内容を説明してくれ」
「以下の紹介文でいいだろ」
内容紹介
猫だ。
この本は暇つぶしにしかならないダメな本である。
内容はダメな猫が右往左往した思い出話でしかない。
優秀な読者はこの本から有益な教訓を得ることができるかもしれないが、それは著者が保証できることではない。
むしろ、ダメな猫が右往左往した記録として、鼻くそでもほじりながら笑いながら読んだ方が良いだろう。
では、この本はいったい何を書いているのだろうか。
それは、オブジェクト指向(OO)は猫でも分からなかった、ということである。にゃあ。
「こらこら。手を抜くな」
「えー」
「もうちょっと説明することがあるだろう」
「たとえば、どんなこと?」
「時代背景とか」
「1970年代から現代まで」
「なぜ1970年代なの?」
「マイクロプロセッサが発明された頃だね。まあ発明までは遡らないけど」
「それより昔はコンピュータが無かったってこと?」
「あったよ。ワンチップのLSI化されたCPUが無かったというだけだ」
「でも、それ以前の話は無い?」
「そういえば、ちょっとミニコンに触れているから、話はそれ以前にまで遡る」
「ミニコンってなに? パソコンの小形版?」
「本文で説明したから繰り返さない」
「ケチッ!」
「いいじゃないか」
「それで、どの辺の時代が目玉になるの?」
「1990年代前半かな」
「なぜ?」
「PCの世界でもC++が徐々に入ってきてOOの世界が身近になってきたから」
「分かった。猫君はそこでOOに触れたわけだね」
「そうそう」
「それでOOは分からなかったと」
「そういう話だ」
「じゃあ、読まなくてもいいじゃん」
「そこだよそこ。この本は分かってしまうことを悪と見なしている」
「なんで?」
「この本はね、過剰な分かり易さへの批判本なのだよ」
「は?」
「とりあえず、読んで面白かったらどんどんTwitterで紹介するとか、どんどん広めてくれ。宣伝予算なんか無いから、みんなだけが頼りだ。読者が盛り上げないと死んじゃうぞ」
「本を書いても儲からない時代なので金は無いと言っております」
「一言余計だよ」