「なんで、これを見たの? アニメでも特撮でもないよ」
「そもそれが誤解なのだ」
「なんで?」
「ただの恋愛映画だろうと見るよ」
「ふーん」
「でも広義の特撮映画ではあるな」
「どのあたりが?」
「夢のシーンが大きな意味を持って繰り返し出てくるし、そもそも過去を描くのは特撮の領域だ」
「じゃあ、感想はどうだった?」
「序盤はゆったりと動きすぎて腹が立つ内容ではあるが、大正の華族はそんなものだろうという意味でリアルではある」
「じゃあつまらないの?」
「そうでもないよ。シナリオと演出に技巧を凝らした面白い作品だよ」
「たとえば?」
「夢の使い方も上手いし映像も綺麗だ」
「他には?」
「実は映画の終盤に至ると、主人公がもはや感情移入できなくなるがライバル男が感情移入できる先になるのだ」
「それだけ?」
「歴史的な考証も確かだね。たぶんだけど」
オマケ §
「ぶっちゃけ、なんでこれを見たの?」
「見る映画のリストにあったので、TSUTAYA DISCASの定額リストにそのまま入ったから」
「そもそも、なんで見る映画のリストに入っていたの?」
「たぶんスカイ・クロラ」
「は?」
「"スカイ・クロラ 春の雪"でネットを検索すると分かるよ」