2013年11月07日
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宇宙戦艦ヤマト 冥界譚【第3稿】は「不味いスープ」の追加

Written By: トーノZERO連絡先

 というわけで、トモネコさんよりリクエストがあったので、スープを不味そうに飲んでいる問題について書き足した。同時に北上夜曲の読み方が間違っている問題の解釈も書き足した。95ページのあたりから読めば問題箇所はすぐ読める。他は誤字訂正だけなので、既に読んだ人は無理に読まなくても良い。

リクエスト §

名前: トモネコ

本文:

冥界ヤマト二度読ませて頂きましたが、ネタバレしている二回目も面白いです。

一度目を読んでいる時の違和感、不安感(当然、計算されている訳ですが・・)それを分かって読む楽しみもあります。

映画「シックスセンス」ミステリ「アヒルと鴨とコインロッカー」に通じる面白さがあります。

私としては追加して欲しい1974からのエピソードはセルの重ね忘れによるのっぺらぼうの基地司令と19話の不味いスープです。

幹部の食事会のシーンはちゃんと支給者が付いてのフルコース料理でやはり古代達リーダーは偉いと今、見直すと感じます。

「のっぺらぼうの基地司令はピンと来なかったので、スープを書き足したが、その先北上夜曲問題にも気付いたので書き足した」

「ところでさ。これって2回目に読んでもいいの?」

「いいぞ。なぜならこの小説の沖田や島は実は2人いるが古代は気付いていない。だから古代視点の小説として一貫して沖田は沖田として書かれているが実はどちらの沖田か区別できるように書かれている。2回目に読むときは、個々のシーンの沖田がどちらの沖田なのか区別しながら読める」

「映画にたとえるとどうなの?」

「強いて言えば、シャッター アイランドに近い。内容は全くの別物だけどね」

「シャッター アイランドってなに?」

「1950年代の精神病院の監獄島に連邦保安官が乗り込んで殺人事件を捜査する内容の映画だが、見終わった客がぽかーんとして『俺達は何を見せられたのか理解出来ない』と思う映画だ。ヤマト復活篇の数ヶ月後に公開された映画だ」

「内容別物じゃないか」

「だから別物だと言ってるだろ」

「じゃあさ。そのシャッター アイランドが発想の原点と思えばいいわけ?」

「違うよ。主人公が見ている光景が偽物、という小説SFはいくつかもっと昔からあって、それは典型的な表現の1つだ」

「たとえば?」

「もう作者やタイトルを忘れてしまったがジュヴィナイルであったし、他にも確か難波弘之さんの短編だったと思うのだが、1950年の古き良きアメリカを幻想として見ている少年の話が合ったような気がするがもう記憶もあやふやだな」

「ふーん」

「森博嗣の短編にも、読者に嘘をつかずに読者に誤った印象を与えるように工夫された作品があるしね」

「では、君の冥界篇も同じような方法論なのかい?」

「ヒントを散りばめながら正解に至るルートは示さない。実は方法論としてヤマト2199の第14話とも同じなのだ」

「ならば君の冥界篇はヤマト2199に対する君の答えなのかい?」

「そうじゃない。あれはヤマト1974への答えだ。実はヤマト2199の小説についてのアイデアが無いことは無いが、まったくの別物になるだろう。といっても、たぶん書かないけど」

「なんで書かないの?」

「ヤマト2199は未完だから。本家が劇場版で補完する気が満々なのに。こっちが何かをすることもなかろう」

「じゃあ、本当に2199が完結したら?」

「その時にまた考える」

感想 §

名前: 3gou

本文:

トーノ・ゼロさま

ご無沙汰しております。

「宇宙戦艦ヤマト冥界譚」読ませていただきました。

拘られていたタイトルの通り、初っ端から濃厚な死の匂いに惹かれ読み進めるうちに、これは幻想小説なのか不条理小説なのかと中々先の見えないストーリーに幻惑されてしまいましたが(余談ですが、最近は2199にばかり浸っていたので、久々に旧作をおさらいしているようで楽しくはありました)、100ページ付近からの怒涛の展開に一気に引き込まれてしまいました。「イスカンダルのアダムとイブ」という旧作のセリフから、地球のイザナギとイザナミに変化するとは。

まだまだヤマトは様々な解釈が可能ですね。とても面白かったです。

(更に余談ですが、自分は石津小説版を小学生の時に友達の家で読んだきりでありました。内容はほとんど覚えていませんが、スターシャが死んでいたというラストは強く印象に残ってます)。

思ったのですが、このお話は舞台に向いているのではないでしょうか。

戯曲形式で発表されても面白いと思います。

「ありがとう! 3gouさん!」

「舞台に向いていると思う?」

「自分は言葉のトリックとして構想したのだが、これを役者の語りに置き換えられるのなら、それも良いだろう」

「戯曲形式にする?」

「それは誰かに任せる」

感想2 §

名前: めとろん

本文:

トーノ様 こんばんは。

「宇宙戦艦ヤマト冥界譚」、最後までとてもワクワクして読ませて頂きました。

この作品にはヤマト、とりわけ1974に対する愛を感じます。

それは古代が語った「愛し合うべきだった」ものではなく、強いて言えば「艦への愛」でしょうか。

本編は歌の通り「必ずここへ帰って来る」し、「誰かがこれをやらねばならぬ」物語です。

しかし何と言っても私が一番感激したのはアナライザーです!

2199のアナライザーには私はかなり不満だったのですが、「冥界譚」のアナライザーには1974以上に「戦う男、燃えるロマン」を感じました(笑)

「ありがとう! めとろんさん!」

「アナライザーには力を入れたのかい?」

「入れたよ」

「アナライザーに関しては以下の点についての説明が付く内容を目指した」

  • なぜ乗り組む気になったのか
  • なぜ乗り組みが許可されたのか
  • なぜスカートめくりは許容されたのか
  • 酒を掛けられても平気なのか

「それだけ?」

「いや。実は古代視点ということで、古代がいない場所を描写できない制約を持つ。つまりビーメラ星で森雪に迫るアナライザーは描けない」

「だからアナライザーを意識する古代が出てくるわけだね」

「そうだ」

宇宙戦艦ヤマト

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