「別のアイデアが出てきた。もう一度年表をリコンストラクトする」
- デジモンアドベンチャー(劇場版) 1999年
- WXIII 機動警察パトレイバー 2001年
- ラーゼフォン 2002年
- プリンセスチュチュ 2002年
- 蒼穹のファフナー 2004年
- 復活篇 2009年→2004年
「それで?」
「復活篇は実際には1994年、2004年にも発表された企画であり、おそらく本来は2004年とみなすのが妥当だろうと思う。そうなってくると、もっとそれぞれの時期が接近してくる」
「そうするとヤマト2199は」
「あとで話が出てくる」
「それで?」
「実はこれらの作品の共通している要素がある」
- クラシックないしクラシックテイストが作品に入り込んでいる
- 質は高い
- しかし、支持が手厚いとは言いがたい
「つまりなんだい?」
「アニメは徐々にパワーアップしてそれが売れる商品になってきた。その歴史は確かにある」
「たとえば?」
「よりリアルテイストになっていくパトレイバーなどだね」
「それで?」
「ところが、その動きが行き着く先は、アニメのお約束の世界を振り払ってもっと大きな世界に出て行くこととイコールだ。そして、それは成功した。クラシックないしクラシックテイストとはその1つだ。その結果産まれた作品には素晴らしいものが多い。それだけアニメは成長したのだ。作り手も成長したと思う」
「良いこと尽くめじゃないか」
「いいや。実はアニメのお約束の世界の外に出れば作品の質がもっとあがり、支持されるはずだという思い込みは実は当たらなかった。アニメを見るファン層の主要な層は実際にはアニメのお約束の中の記号的世界に安住していたかったのだ。そこでアニメは急速に支持を失っていく」
「なぜそうなるの?」
「そもそも、アニメのお約束の外側の世界で良ければ、最初からアニメを見なくても良いからだ」
「じゃあ、復活篇は、ヤマトはどうなのさ」
「だからね。DC版でクラシック要素を切り捨てて宮川音楽を入れた。SEも戻した。それにより、お約束世界に回帰した。ヤマト2199の企画とはその文脈で見ると良く分かる。あれはお約束世界への回帰によって成功を勝ち取った作品といえる」
「旧作と違う要素も多いよ」
「旧作への回帰ではない。お約束世界への回帰だ」
「その2つは違うの?」
「違う。お約束世界はヤマトの後で成立したものであり、ヤマト1974は実際にはあまりお約束世界に属していないのだ」
つまり §
「つまりなんだい?」
「おそらく、出渕さんが全開で作ったら、ファンをみんな地上に残して大気圏を飛び出してくれるだろう。そんな気がする」
ついでに言えば §
「そうなれば、カトキさんも、ガンダムどころか人型ですらないメカをデザインして楽しませてくれるだろう」
「君はそれを期待しているわけ?」
「プロにそれは期待しないよ。プロは趣味でやってるわけではないので、客は無視できない」
「君も客だろ?」
「Ver.KaのMSは買う……という行動には出ていないから客じゃないかもね」