2013年11月19日
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感想・映画「スタンリーのお弁当箱」

Written By: トーノZERO連絡先

「下高井戸シネマの無料券が1枚あるのだけど、いつまでも放置しておくと期限が切れてしまうので、強引に時間を作って1つ見てきた」

「なぜSFでもホラーでもアクションでもないお弁当箱の映画なんだい?」

「理由はない。単なるフィーリング!」

「えーっ!」

「そもそも、特撮とアニメしか見ないというのは誤解だし、どちらにも属さない映画の方が本来は多いはずだ。まあ今どきどんな映画も特撮(VFX)の一種は入り込んでしまうだろうけれど」

「それでこの映画はどうなんだい?」

「かなり面白かったぞ」

「どこがいいの?」

「綺麗すぎる予定調和で終わるように見せかけて、何も解決しないで終わってしまう。そこがいい!」

「いいのかよ」

「当初作中で悪役であるかのように描かれた弁当たかり教師は真の悪ではなかったわけだし。そこもいい!」

「いいのかよ」

「少年達が結束してスタンリーをかばうが、子供は無力だから失敗する。そこもいい!」

「いいのかよ」

「女教師も人によって優しかったり、スターリーの作品をゴミ扱いしたり、性格は一定しない。そこもいい!」

「いいのかよ」

「インドはIT教育が進んでいるから、携帯の着信履歴を前提にした描写があったり、授業の黒板にさりげなくCPUと書いてあったり、そこも面白い」

「それでいいのかよ」

「ムトーでも出てきたけど、インド式の金持ち正義の味方キャラが出てくるわけだが、余りにも理想化されたスーパーパワーとして描かれていないのもいい。結局彼はスタンリーをかばいきれなかったのだ。つまり、子供を過剰に強く描いていない。そこもいい」

「いいのかよ」

「音楽のセンスも良かった」

「凄く良かったみたいだね」

「最初に出てくる見せかけの物語の構図はそれほど面白いわけではないよ」

「しかし、一歩踏み込むと面白いわけだね」

「2011年のインドの映画だ。とても楽しめた」