「あー。オンラインミッションやらないと話が先に進まないので、ともかく参戦したよ」
「どれぐらいやったの?」
「とりあえず、昇進するまでな」
「どれぐらいやると昇進できるの?」
「10回ぐらいかな」
「えー、10回も?」
「しょうがないから10回ちょっとオンラインで戦ったよ」
「感想は?」
「単調でイマイチ」
「えー」
「せっかく敵を追い詰めても他の味方に落とされちゃうしね」
感想 §
「それでどこが問題なんだい?」
「うん。だからね。ACE COMBATの特徴としては、本来なら遊び方の多様さがわるわけだ」
「TGTだけ狙ったり壊滅を狙ったりだね」
「タイムを競うのもありだし、これを先に撃破するとか、自分で目標を立ててそれを実行できる。わざわざ隙間をくぐるとかね。時間は掛かっても機銃で仕留めるとかね」
「うん」
「ところが、オンラインで共同でプレイすると、そんな目標を事前に打ち合わせるのは難しいし、同意を得られるとも限らない。そもそも制限プレイは実行できない場合もある。そういうときには、さっさと打ち切るのも1つの手なのだが、他のプレイヤーは同意しないかもしれない。結果として、プレイの自由度はかなり下がる。じっくり機銃で狙おうと思った敵が他にプレイヤーにあっさり落とされるのも日常茶飯事。しかも、スコアの大きい美味しい敵は奪い合いだ。その場合、良い機体に乗っている者が先に攻撃可能になるから、どうしても機体のハンデで差が付いてしまう」
「良い機体でオンラインミッションに出ればいいだろ?」
「良い機体を手に入れるにはオンラインミッションで数値を稼がねばならないんだよ」
「ど、堂々巡り……」
「それにね。味方と近いと能力がアップするシステムなのだが、味方と打ち合わせなんてないから、どんどん思いも寄らない方に行っちゃう。リンクを維持するには、それに付いていくしかない。行動も自由とは言えない」
「そうか」
「1回、アイガイオン艦隊にも遭遇したけど、ぜんぜん楽しめなかった」
「なんで?」
「ミサイル警告に追われて回避を続けていると、どっちに敵がいるのか分からない。レーダーを見てもどれがギュゲスでどれがコットスか分からない。ギュゲスにトドメを指せと言われても、どれがギュゲスだか分からないから攻撃しようがない。そうこうしている間に、経験豊富な上手いプレイヤーがミッションを終わらせてしまう。自分はほどんと貢献してない。ミッションがクリアされてもぜんぜん面白くない。というよりも、面白い面白くない以前に、どうやってアイガイオン艦隊が沈んでいったのか経過が全く見えてこないので、何も分からない」
「結局、問題は何だと思う?」
「そうだな」
- レーダーマップはとても見難い。ごちゃごちゃしていて自機がどこにいて、どっちを向いているのかがサッパリ分からない
- 装備でかなりの部分が決まってしまう。腕はあまり関係無い
- 装備は猿のようにやり続けると良くなる。やり続ける時間と体力があるとそれだけで優位に立てる
- ミッションの遊び方の範囲は狭い。遊び方に独自性を発揮できる余地は少ない
「まとめるとどうなる?」
- おそらく、まともに遊ぶには大量の金と時間が要求されるだろう
- ゲームとしての寿命は短そうだ。飽きが来るのはおそらく早い
- このままだと、少数の癈人ゲーマーが、他人の入り込めない世界を作ってしまうかもしれない
「君はどうしたいんだ?」
「必要な階級や機材を手に入れるためにだけオンラインをやって、あとはじっくり……と思ったけど、オンラインで要求されるプレイ回数が半端じゃない。最初の昇進までで10回とか。これはもう、製品版が出てもキャンペーンでエンディングを1回見たらおしまいになるかもしれない」
「えーっ!」
「だって、ACE COMBAT 04で飛行船を1機1機機銃で仕留めて回る方が楽しいもの。工夫するとスコア上がるし。オンラインだと他人次第でスコアなんか一定しない」