2013年12月17日
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感想・UQ Holder単行本第1巻

Written By: 川俣 晶連絡先

「UQ Holder単行本第1巻。買ったよ」

「感想は?」

「一緒に並んでいた他のコミックの新刊より印象が良かったね」

「いや内容は?」

「実はまだ全部読んでないっ!」

「えー!」

「ずっとマガジン買って連載で読んでるし」

「なんだよそれは」

「でも感想はあるぞ」

「それ、何だよ」

「Amazonの評価がとてもつもなく低い」

「なんで評価が低いの?」

「萌えじゃないからだろ」

「萌えじゃないってことは、そんなにいけないことなの?」

「いいや。別に萌えはコミックの1つの分野に過ぎないし、たいていの漫画家はたった1つのジャンルだけの作品を書き続けることはない。当たり前だ。そんな安楽な方法で世の中を通れるとは限らないし、偏りが激しいと読者も飽きる。引き出しが多い方が良いに決まっている。作品ごとにファン層が違うってことも珍しくない」

「つまり、松本零士に向かって『あんたは宇宙が得意なんだから四畳半ものなんて描くな』って言うのと同じってことだね」

「そうだよ。そんなことを言ったら男おいどんファンに殴り返されるだけだ」

「じゃあ、UQ Holderはこれでいいわけ?」

「そうだ。この1巻の構成は不死の整理分類で終了する。もともと、そこがポイントの作品ってことだ。美少女ハーレムは最初からテーマではないからどこにもない。無くて当たり前」

「でもさ。みんなおっさんより女の子が見たいだろう?」

「訂正しよう、可愛い女の子だ」

「なら、美少女ハーレムの方がいいじゃん」

「そこが典型的な誤解。ヒロインは作り手が本当に可愛いと確信できる1人がいれば十分。逆に確信が持てない女の子は何百人並べても不十分」

「ハーレム否定かよ」

「そうだよ。否定する。あれはたいてい良いものじゃない」

「じゃあ、UQ Holderはおっさんの世界なのか?」

「要所でいい女が何人も出てくるから、それほどおっさん臭くはないぞ」

「普通はそれで『女性が多い』って誉められるレベルなんだね?」

「そうそう。前作のネギま!で数が多すぎたから少ないように見えるだけ。そこは数字のトリック」

UQ HOLDER