- 佐渡先生が「宇宙は大きいのだ」と言った後で「酒があるのだ」という。しかも、下宿代が云々言う四畳半の大家っぽい婆さんが)
- 島次郎がミニヤマトを作っている
- 加藤が死んだ部下の家族と通信している
- 森雪が通信カプセルを持っている理由が明示されている
- 古代の思い出に廃墟が出てくる
- パーティーで古代が艦長室に行く (機関室で徳川に沖田のことも聞いている)
- ギンバイ!
- グリーゼでの彗星の使い方は上手い
- グリーゼ581での波動防壁の使い方が上手い
- シュルツの演説が良い。我らの後に勇者は無いのだ
- グリーゼ戦の結末が格段に良くなっている
「全般的な感想はどうたい?」
「けっこうヘロヘロな描写があるけど、それによって加藤の通信が生きるので、全体として見ると上手い演出だろうと思うよ」
「では、良く出来ていると思って良い訳だね?」
「そうだ」
「まとめるとどうなの?」
「むらかわ版コミックはヤマト2199のコミカライズであってヤマト2199のコミカライズではないってことが良く分かった」
「どういうことだい?」
「だからさ。アニメの2199は良く出来ているが、それでも踏み込めていない領域がいくらでもあるわけだ」
「なんで?」
「時間も足りないが、集団で作るアニメの世界は、統一された意識が形成できないと作れない制約も持つ。しかし、基本的に個人芸であるコミックの世界はいくらでも独自の世界を切り開ける」
「それはアニメの2199の限界かい?」
「アニメの2199というよりもアニメの限界だろうね」
「では、コミックにはその限界がないわけ?」
「別の限界があるけどな」
「どんな限界?」
「コミックは青田買いをし過ぎる。ろくな人生経験も無い子供を人気漫画家にしてしまうが、それでは行ける先が限られる。でも、本当に凄い世界に行ける漫画家は転職組だよ。たぶんね」
「むらかわ先生は転職組じゃないのかい?」
「だから限界突破を期待しようじゃないか」
オマケ §
「艦長、弟が模型を作ってました」
「なに? 島、おまえまで子供の玩具だと言うのか? 馬鹿めと言ってやれ。古代を見習え」
「古代もすっかり子供です」
オマケ2 §
「ギンバイってなに?」
「横浜ギンバイ」
「いや、それ違うから」
オマケIII §
「宇宙に酒があるということは」
「酒があるなら?」
「おまえに買ってやるお土産もあるってことだ!」
「本当かよ」
「ネコっぽい生き物がザルツ人に飼われている以上、それはある!」
オマケのオマケの蛇足 §
「メカ描写に『おや?』と思う部分が残ることは残るのだが、それはどうでもいい」
「なんで?」
「おいらにとって、メカ描写は本質ではないからだ」
「証拠は? 俺達は証拠が欲しいんだ」
「結局小説を何本か書いて、最終的にヤマトのヤの字も出てこない世界に行ってしまったからだ」
「ひ~」
「古代が馬鹿やって島が冷ややかに見て森雪がコーヒーを淹れて真田が怜悧に切って沖田が雷を落とせばそれでいいと分かってしまったのでね。全ての宇宙船設定は単なる賑やかし要員に過ぎない。別の何かで置き換え可能だ」
「それが君の解釈かい?」
「そうだ。それは宇宙戦艦ヤマトこそが主役であると言うメカマニア的世界観とは別物だ」
「そうか」
「それにね。この4巻の質が低いわけではないよ。普通の人は軍艦を描けないのが当たり前。そういう意味では非常に高い水準に上がっているのも事実だからね」
「4巻の描写に何か気付いたことがある?」
「おそらく作者の手元に作画参考用の1/1000ヤマトとガイデロール級があって、それを見ながら描いているという気がする。気がするだけで事実かどうかは知らないが」
「ホントかよ」
「模型を見ているとこういう風に見えるよね、という感じのカットもあるから。もっとも、作画参考用の3Dモデルでもそう見えるのかもしれないから確実なことは言えないけどね」
「ガイデロール級作った奴が来たよ」