「話は終わっていなかった」
「大村イコールムラサキの先に何かあるのかよ」
「ある。それはなんだい?」
「うっかり重要なことを見落としていた」
「それはなんだい?」
「ツインタワーとは2本タワーのことだ」
「うん」
「SUS大要塞は5本タワーなんだよ」
「本数が違うだけで結局複数タワーかい」
「そして、ここが重要だ。複数タワー攻略に際しては、主役+味方A+味方Bの構成で行われる。つまり、ヤマト+艦隊+シナノであり、ヒトミ+ミント+ムラサキなのだ。この構成は、主役+すぐ退場+同性愛告白という構成で同じなのだ」
「ひ~」
「そして、成功したかに見えた攻撃は成果を発揮しない。つまり敵を倒せない」
「それも同じか」
「当然結末は『あの太陽をねらえ』なのだ。そこで、ヒトミ・ランツクネヒトは最後の一発を敵ではなくあの太陽に撃ってオシマイにする」
「敵を撃つわけでは無いのだね」
「そうだ。撃つのは太陽だ」
オマケ §
「ツインタワーが本当に2本のタワーか確認するためにICE3を再生したらつい最後まで見てしまったよ」
「いいのかそれで」
「ついでに、SUS大要塞が5本のタワーか確認するためにハイパーウェポンも開いてしまったよ」
「いいのかそれで」
「いいと思うよ」
「何か得る者はあったのかい?」
「ICE3の最後に出てくる謎の少年少女の正体がようやく見えた。よく見るとお尻の後ろに不自然なものが風になびいていたのだよ」
オマケ2 §
「結局、21世紀ヤマトは、ヤマト以外の何かを取り込んで成熟しているような印象もある。何を取り込んでいるんだよ。以下はあくまで取り込まれた要素の一例だ」
- 復活編=ICE的な要素
- SBヤマト=三丁目の夕日的な要素
- 2199=ラーゼフォン的な要素
「一言で要約すると何?」
「おそらく、主要メンバーのコアなモティーフが反映されてきている。そこで、ヤマトでありながらヤマトをはみ出す要素が入り込んでしまう」
「それはいいことなの? 悪いことなの?」
「むしろ、『避けられないこと』なのだろう。いろいろな意味で」
「善し悪しの問題では無いわけだね」
「しかし、そのことは復活編とSBヤマトと2199の3つは混ぜようとしても混ざらないことの理由付けとして有益な解釈だろう。同じヤマトなら混ざるが、結局ヤマト以外の要素が含まれるので同じヤマトとは言えないわけだ」
「同じではない……」
「そうだ。昭和ヤマトとも同じではない」
「どう解釈すればいいんだ?」
「今我々が飲んでいるのはマサラティーだってことだ。香辛料はどう間違っても紅茶ではないが、それを入れることで紅茶に別の味が出てくる。もちろん、それが好きな人も嫌いな人もいる。だが、あくまでマサラティーは香辛料使用が前提のメニューだ」
「じゃあ、SBヤマトがチャイで、2199がロシアン・ティーだったりするわけか?」
「かもね」
オマケティー §
「ロシアン・ティーってジャムいり?」
「そうらしいぞ。地球をなめるなよ、宇宙戦艦ヤマトをなめるなよ、紅茶に入れるジャムをなめるなよ!」
「大村さん辛口!」
オマケのオマケ §
「オマケティーと書いて、思い出した。イーネマスの来人プログ・ラマ(ラマ王朝の開祖)の首都はラマ・ケティという。そんなことを思い出してしまった」
「ケティってなんだい?」
「CITYが訛ったものだよ」
「おいおい。いいのかよ」
「この小説で未来世界の言葉は耳慣れない変な用語に見えて実は我々が知っている普通の言葉の発音を歪めたものに過ぎない……という構成を取った。たとえば、海底大陸デーシスのデーシスはDEEP SEAが訛ったものなんだよ。灼熱大陸ウォルムスだともっと分かりやすいね。金持ちのモーチウナル・モニという人名のモニはMONEYが訛ったものだ。シューブは実はSUBで、いわゆるサブオペ(サブオペレーター)だったりする」
「最後に1つだけ聞いていいか?」
「なんだい?」
「そもそも、イーネマスってどういう意味なんだい?」
「インナー・マーズだよ。火星の地底世界」
「バローズかよ」
「初期案ではタイトルは火星の地底世界イーネマスだったよ」
「ところで、ヤマトと全く関係ない話題なんですけど」
「そうだね。でもね、実はこの小説中に宇宙戦艦ヤマトという単語が1回だけ出てくるんだ」
「宇宙戦艦ヤマトって言葉が出てきても、あのヤマトとは関係ないんだろう?」
「いや、あのヤマト」
「なんで?」
「ネタバレするほど無粋じゃありません」
「ちょっとだけ教えろよ」
「しょうがないなあ。未来世界の火星の地底世界に転生した主人公の浅岳が本当に1964年生まれか確かめるために、アニメの主題歌を歌ってみせろとママース神が要求するのだ」
「それでどうなるわけ? 浅岳はヤマトを歌えるわけ?」
「歌えない」
「偽物なの?」
「いや、本物」
「じゃあなんで歌えないの? 身の証は立たないの?」
「ここから先は読んでのお楽しみだ」