「羨ましいねえ。西崎さんのためのパーティーでこれだけの音楽を演奏したとは」
「ちょっと見慣れないものがあるよ」
「『どこまでも透明にイスカンダル』というのは、やはりエーゲ海を暗に想定していて、ポール・モーリアにつながるのだろう。ディスコアレンジのイスカンダルもちょっとポール・モーリア風だし。しかも、次にディスコヤマトという曲目もある」
「私のハートはストップモーションって?」
「ヤマトは関係ないが、桑江知子の歌なので、間接的にヤマトとの縁がある」
「ということは完結編前後?」
「おそらく、完結編前。完結編後ならヤマトの歌をおそらくやっている。そして、別離があることからIII後と考えられる」
「III後で完結編前か」
完結編前夜 §
「最近、ほとんど完結編の音楽だけ聞いているが、完結編の音楽の品質は破格だよ。凄く高い。これと比較すると、21世紀ヤマトの音楽は色あせる。劇場公開版の完結編ぐらいだよ。正面から対抗できるのは」
「本物の厚みを持った歴史的なクラシックを持ってこないと戦えない水準ってことだね」
「まさに破格だ」
「でもさ。その理屈で言うと、永遠に以前の音楽でも戦えないってことになるよ」
「そうだ。20世紀ヤマトでも完結編だけは破格なんだ」
「ヤマトIIIや永遠にの音楽も良かったのでは無いの?」
「良い。でも、良さの水準がずっと高い」
「好きじゃない人もいるよ」
「音楽の嗜好など人それぞれだ。嗜好と凝り方の凄みは別の問題だ。凝ったらみんな好きになるとも言い切れない」
「でも君は完結編が好きなんだね?」
「完結編の音楽がね」
オマケ §
「好きじゃない人もいるよ」
「音楽の嗜好など人それぞれだ。嗜好と凝り方の凄みは別の問題だ。凝ったらみんな好きになるとも言い切れない」
「凄みで人気が出るなら、とっくにみんなファッションだけのなんちゃってロックモドキを捨ててクラシックに走っているということだね」
「いやいや。ロックのリズムでロクロック鳥だ!」
「何か違う」
オマケ2 §
「イー57降伏せずを見たわけだが、これは目から鱗が落ちた。これがキーになる映画だった」
「どこがいいわけ?」
「樋口監督の原点が見える。つまり、ローレライやヤマト2199の潜水艦戦の原点が見える」
「そうか。第13話を樋口監督が手がけているわけだね」
「そうだ。ローレライでは、女は乗せない潜水艦が女を乗せていることに違和感があったが、イー57という映画を前提にすれば女は乗るんだ。そこはおかしくない」
「ふーん。それで?」
「ローレライ見ることにしたよ」
「まだ見てなかったのか!」
「架空の潜水艦の映画は特に追求すべきテーマではないのでね。自分としては」
「分かった。ガトー級なら見るんだろ。イー57にせよ、零戦黒雲一家にせよ、本物のガトー級が出てくるから見るんだろ」
「まあ、そんなものだ。でもね、樋口監督も本物のガトー級を見てきたと嬉しそうにオーディオコメンタリーで話していたよ。やはりガトー級は重要だ」
「分かった。本物のガトー級を見てきた監督の潜水艦映画なら見たいわけか」