「安藤正芳さんと共著になっているが、日経ソフトウェア2014年4月号の特集3、XPサポート切れ直前対策を書いたぞ。みんな買ってね。以上終わり」
「何か感想は無いのかよ」
「脱XP対策というのは、うちの場合、Vista時代に終わった話なので、思い出すのに苦労した」
「本当はVista時代に終わっているはずの話題ってことだね」
「そうだ。知ったかぶりの自称詳しい専門家による間違ったVista叩きにより、みんな移行のタイミングを失った憐れな子羊なんだろう。まったく、あの馬鹿どもは罪作りをしてくれる」
「では、Vistaに移行しろってことで話は終わり?」
「今更Vistaに移行する意味はあまり無い。それなら7にした方がいいよ」
「いずれにして古い話だね」
「そうだ。明らかに過去の引き出しから知識を出さないと書けないような話だ」
「それにも関わらずなぜ書いたわけだい?」
「依頼されたから」
「は?」
「うちから提案した訳ではないよ」
「なんで依頼されると思う?」
「実は慎重に観察しながら歩いていると、けっこうXPでまだ動いているシステムを見かける。XPからの移行はリアルな問題として存在するのだろう。うちには無いとしてもね。世間にはある」
「君は浮き世離れしているのかい?」
「そうとも言えない。なぜなら、新しいOSにすぐ飛びついちゃう客もいるので、新しいOSへの対応は常に意識しなければならない」
「じゃあ、君本人の肉声として意見は無いのかよ」
「無いよ」
「ひ~」
オマケ §
「145ページにもちょっとコメントを書いているぞ」
「めざといな。よく見つけたな」
「つまり、使えるものならWindows意外のOSも使いたいが、手が回っていないという敗北宣言かい?」
「そうでもない」
「なんで?」
「理想的には何でも使ってみるのが一番良い。しかし、現実問題としてそのコストが正当化できるのかと言えば、また別の問題だ」
「コストの問題?」
「そうだね」
「つまりどういうこと?」
「Windowsの新バージョンは仮想マシンに入れるだけですぐ試せる。プレビューやベータテスト版なら無償配布だから、事実上無料で試せる。これは時間さえ作れれば実行は容易。ところが、MacOSになると、ハードまで買わないと試せない。具体的にそれによる収益が見込めないとすれば、正当化できる出費ではない」
「Linuxはどうなんだよ。あれなら、同じハードでタダで試せるのが多いぞ」
「実はLinuxになると話が変わって、手間で死ぬ」
「何の手間だよ」
「ディストリビューションが無数にあって、しかもバージョンアップ頻度が高い。どこまで何種類試せば済むのかが全く見えないし、操作感も同じとは限らない。しかもカーネルを再ビルドとしたりしてバリエーションが無数に増えてしまう。あれはもう、お手上げだよ。とても手が回らない」
「君の結論は?」
「最低限のマナーとしてWindowsぐらいは抑えておくが、後のOSは事実上のスルー。いちいちOSを1つ1つ見ていく暇があれば、コードを書く」
「Windowsユーザー以外は無視するわけ?」
「無視も出来ないから今はHTML5とTypeScriptで書いているが、それはWebという共通プラットフォームに乗ったら相手をするという意味であって、別にMacOSやLinuxを肯定するという話でも無い。ってか、問い合わせをされても、MacOSやLinuxの問題は分からんぞ」
「そういえば昔はLinuxも使ってたね」
「一時期はLinuxマシンが4台ぐらい動いていたけど今はゼロだ」
「Windowsに負けたってこと?」
「いいや。FreeBSDに負けて淘汰された」
「ひ~」
「ああ、FreeBSDマシンはまだうちの会社で動いてるからな。FreeBSDは最新バージョンの追っかけをしてないだけで。動いてはいる」
「分かった。最新バージョンの追っかけをしてないから問い合わせされても答えられない可能性が高いけど、無視はしてないわけだね」
「ただし、5年も前になんとか.confを書いたなんとかの設定について質問されてももう忘れているぞ」
「ひ~」
「procmailとか、設定ファイルの管理ツールを自前で作っているから手動ではもう書けないしな」
「古すぎる話はもう対応できないかも……って話だね」
「まあ、FreeBSD自身、これから積極的に採用していくOSでもない……という気もするけどね」
「そらの話は君の主張?」
「いいや、状況によって強制されているだけで、別にそうするべきだと思っている訳ではないよ」
「じゃあ、君本人の肉声として意見は無いのかよ」
「無いよ」
「ひ~」
「だから、一番困るのは意見を変えさせようとする宗教の信者」
「意見が無いからだね」
「そうだ。振る舞いを変えて欲しければ環境を変えるだけで良い。ちゃんと収益を上げられる環境さえ作ってくれるなら、どんな技術にも対応してあげるよ。でも、主義主張の問題として論戦を挑む奴は、相手にできない。こっちに主義主張は無いからだ」