2014年03月06日
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三百字小説『夢の続き 夢の頭突き』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 頭突き名人のゴン太は、無敵だった。頭突きをすれば必ず勝ち、頭突き名人の称号を誰にも渡さなかった。

 ところが、ゴン太にも悩みがあった。自分の考える理想の頭突きができずに悩んでいたのだ。

 しかし、ある日それはできた。

 喜んだゴン太だったが、それは夢の中の話だった。

 ゴン太は練習して夢を現実にした。

 しかし、頭突き勝負には負けてしまった。美しすぎる理想の頭突きは先を読まれやすかったのだ。ゴン太は頭突き名人の名前を返上するしかなかった。

 失意のどん底のゴン太はそこで目覚めた。それもまた、夢の続きに過ぎなかったのだ。

 目覚めたゴン太は、まだ頭突き名人だったが、相変わらず理想の頭突きはできなかった。

(遠野秋彦・作 ©2014 TOHNO, Akihiko)

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