「酔いが覚めてきてハタと気付いたのだが、やきとりヤマトのあのテーブルのレベルは異様に高かったのではないだろうか」
「どんな風に?」
「DAICONはアニメの名前じゃねえ!というSF大会の話から、冥王星のサイズとアメリカ大陸のサイズを比較する定量的な話を経てだな」
「定量的な話だと何かいいわけ?」
「まあ、一般論でいえば、定性的な話よりも上等だな」
「そんなものか」
「他にもいろいろ話題があったが、とても言えない話も山ほどあったぞ」
「ひ~」
「ともかく、メシエとかNGCとかいう言葉が飛び交う酒の席はそうそうないもんだぜ」
「もっと何か言うことは?」
「グリーゼ581を星表で探した話なんてさ。普通は平然と聞いてもらえないって」
「普通の話として聞き流されたってことだね」
「そうそう。あっちはグリーゼ581なんて当たり前の人」
「結局、まとめるとどういうことなんだい?」
「世界には凄い人がいる。ヤマト相手にして本物の宇宙も相手にしている」
「凄い人を前に君はどうしていたんだい?」
「ビーカーでヤマトカクテル飲んで、ただの酔っ払いになっていた」
「ダメじゃん」