「今どきシェーンかよ」
「そうだ。シェーンだ」
「なぜ見たんだよ」
「東京物語のオーディオコメンタリーで同じ年の映画として何本か映画のタイトルが出たのだが、そのうちの1つがシェーンだったのだ」
「へー」
「更に、シェーンカムバックの時にシェーンは重傷説があると知って、興味が倍増したのだ」
「へー。で、実際に見てどうだったんだ?」
「この演出の流れはシェーン死亡だね。そこかしこに死に至る演出があり、ラストカットに至っては墓場を進んでいるのだ」
「絶対に死? 生存の可能性無し?」
「生存の可能性はある。しかし、その場合でもシェーンは象徴的な意味で死ぬ」
「なんで死ぬの?」
「シェーンが代表する価値観はここで消失して消えるのだ。それは人を殺した犯罪者という言葉に取って代われる。彼はもうシェーンではいられないのだ」
寝取られ属性問題 §
「いやー。凄いね。一人の奥さんを巡って旦那とシェーンが奪い合い、というか譲り合い。凄い寝取られ属性映画だ」
「どんなところを見ているんだ」
「その意味でもシェーンは死なねばならない。生きているシェーンは姦通罪の誘惑に満ちているからだ」
「ひ~」
VFX問題 §
「雄大な自然。たくさんの動物。いかにも粗末な建物。ぬかるみ。本当に特殊効果のCGが凄いね」
「いや、CG使ってないから。この映画は1950年代だから。CGなんて無いから」
「全部本物かセットか!」
まとめ §
「本当に面白かった。気がついたら半分以上終わってた」
「勢いに呑まれる映画か」
「時間を感じさせない。とてもいい映画だよ」