「なぜこの映画を借りたんだい?」
「うむ。実は黄色い小さい潜水艦(万能メカ)の眷属にシースルー号が属するのでは無いかと思い付いたのだが、黄色が使われているかはっきりしなかったので」
「黄色は使ってあった?」
「コクピットの内部色が黄色だったよ」
「では実際に見たところどうなんだい?」
「黄色い小さい潜水艦(万能メカ)の眷属という概念の他に、もう1つイエローサブマリンの直接的影響下にある映画という感想も得た。むしろ、積極的に失敗しなかったイエローサブマリンという感想を得た」
「失敗しなかったイエローサブマリンとは?」
「イエローサブマリンはいくつかの点で失敗した」
「画像は確かに面白いが万人受けしない。それはできるだけ多数に見てもらって資金を回収しなければならない映画にはマイナス要素だ」
「それでこの映画は?」
「この3つの弱点を上手く補正した野心作だと思う」
「画像は尖りすぎていない?」
「そうだな。冒険は見られるが分かりやすい範疇からは逸脱していない」
「音は薄っぺらくない?」
「そうだな。けっこう音楽も冒険している」
「結末は陳腐じゃない?」
「とりあえずLOVEで解決するよりも、力の暴走で自滅する結末はずっといい。でも、確かに海底3万マイルも結末はちょっとお粗末。お粗末だけど、イエローサブマリンよりはずっとマシだと思うよ。皮肉な結末はいいと思う」
「なぜだと思う?」
「たぶん、作りきれなかったのだと思う。前半のテンションを最後まで維持したら、もっと凄くなったと思うよ」
影響? §
「どのへんに影響があると思う?」
- 万能メカ・シースルー号=イエローサブマリン
- 凸凹コンビの髪型
- 敵の雰囲気や肌の色
- 異世界に対立構造
- 歌が入る
- シンボライズされた映像表現
フネ、そしてジープ §
「最初に出てくる船はともかく凄い。直立するからね」
「そうか」
「それに、戦闘機はファントムに見えるし、ジープも出てくる。けっこうマニアックな世界だよいろいろ描写は凝っている。子供向けにしてはね。描写がしっかりしている部分は多い」
「長編の東映動画にまだ元気があった時代なのだね」
「それが結末に向かってしぼんでくるのが哀しい。せっかく子供を心配する両親が出てくるのに、彼らのところに主人公は帰らない。海底国軍がどうなったのかも分からない。そして女といちゃついて終わる」
「ひ~」
エンジェル §
「エンジェル可愛いじゃないか。こんなに可愛いとは思わなかった」
「どこがいい?」
「ビジュアルもいいが性格も可愛い。ファッションも可愛いよ。なまじ、あざといミニスカートじゃないところがいい。でもセクシーだよ」
個人的な思い出 §
「空飛ぶ幽霊船と海底3万マイルは映画館で自分で意識してみた最初の映画だ」
「ふーん。思い出なのだね」
「そうそう。思い出がある。でも、ちょっと思い出と違うところもあって、そこは記憶が曖昧なのだろうね」
「ひ~」
「でもさ。いきなりサッカーボールで遊んでいたり、映像的に古くないね」
「サッカーか、それは古くないな」