「模型の世界では昔からヤマトの模型は多い」
「マイナーなメカはキットになっていないよ」
「そこはガレージキットで救える部分だ」
「なるほど……」
「しかし、ガレージキットでも救えない世界もある」
「版権の暗黒宇宙」
「それはなんだい?」
「マクロスの両腕にヤマトとアルカディアが付いているようなものだ」
「それはどう逆立ちしても版権が降りない」
「その場合、改造はほぼ絶望的だ。たとえマクロス強攻型とアルカディアとヤマトの模型があってもサイズが合う可能性は絶望的に低い」
「そうだね」
「とすれば、後はもうフルスクラッチするしかない。そして作ったものは、複製して配布できる可能性はほぼ無い。無いだけでなく、手間の割に得るものが少ない」
「本来ならマクロス強攻型とアルカディアとヤマトはそれ単体で売れるわけだね」
「最終的に考えられる結論として浮上したのが3Dプリンターの活用だ」
「どう活用するわけ?」
「マクロス強攻型とアルカディアとヤマトの3Dデータを用意することは簡単だ。それ単体ではホワイトな存在として世に送り出せる」
「そうだね。単体でなら当日版権を通す方法はありそうだね」
「そうだ。しかし、3Dデータは編集可能なのでサイズを合わせて合成できるのだ」
「買ったエンドユーザーがやるわけだね」
「そうだ。売る人はやらない」
「それで?」
「そのデータを3Dプリンターで立体化してしまえば、君も僕もマクロスの両腕にヤマトとアルカディアが付いている立体を入手できる。しかし、あくまで個人的な振る舞いであって、そこでお金が動く商売は発生していないわけで、問題は起きにくいだろう」
「ネットに公開して大騒ぎしなければってことだね」
理由の問題 §
「なんでこんな話を」
「この前のヤマトお花見宴会で、二連三段ガンダム空母を持っていったら、確かナーサンだったと思うのだが、それが欲しいと言われたからだ」
「でも、余りパーツでたまたまできた二連三段ガンダム空母と違って、思った通りのものを作るのは難しいね」
「結局、サイズ的に適当な素材を集めるだけでかなりの運ゲーになる」
「作るとすれば3Dプリンターの方が早そうだね」
「元になるデータがあればな」
オマケ §
「昨日は捜し物で部屋をひっくり返して、変なものが続々と見つかった」
「たとえば?」
「AIIの美少女ギャルバイ。ツイートではバイクと書いてしまったが正しくはバイ」
「なんだそりゃ」
「ガレキの1/1000完結編新型標準型戦艦とか。かなり古いので、2199シリーズと統一スケールになっているのはおそらく偶然」
「ひ~」
「他にも山のように出てきたよ。サイバーフォーミュラのデフォルメフィギュアとか」
「ひ~」
「飛べ!イサミとか。鉄人28号FXのサブキャラのバニーガール姿とか」
「ひ~。FXかよ」
「他にもいろいろ」
「ものを整理しろ!」