2014年04月03日
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三百字小説『上品な商品』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 「その商品は下品すぎる」と俺は上司に怒られた。しかし、小便小僧とは普通こういうものなのだ。

 とはいえ、社風に合わないと言われると考えざるを得ない。

 そこで小がダメなら大があるということで、大便小僧を提案したがもっと怒られた。やはり下品はいけないらしい。

 俺は発想を練り直した。大小にこだわってもダメなのだ。もっと斬新な発想をしなければ。

 要するに小で始まり僧で終わっていればいいのだ。俺は夜も寝ないで昼寝してついに新しい企画を考えた。

 小虚無僧だ

 深い編笠をかぶれば、小さな小僧は股間まで隠れるという仕掛けだ。しかし、編み笠の隙間からちゃんと水は出る。

 得意げに企画を上司に見せた俺は首になった。

(遠野秋彦・作 ©2014 TOHNO, Akihiko)

遠野秋彦