「面白いじゃないか」
「どこが面白いの?」
「ぬけぬけと馬鹿馬鹿しいホラ話で全てのピンチを切り抜けてしまうのが面白い。常識で考えると裏切られる。そこがいい」
「ひ~」
「まあ、これは前半だけの内容みたいなんでね。残りも見ないと話が分からないぞ」
「なんでこれを見たの?」
「スケールアヴィエーションにほら男爵が出てきた記念で」
「他に何か言うことは?」
「この映画はね。どこからどこまでがホラか分からない。最初は、ホラ話のレイヤーとそれを語っている現実のレイヤーがあるように見えるのだが、ホラ話と同じことが現実にレイヤーでも発生することで、実はホラ話が成立する空想レイヤーと現実レイヤーがあるわけではなく、実はどちらもホラの世界であることが分かる。その構成が面白いね」