「ヤマト2199第10話のゼーリックは、一見して以下のように振る舞っているように見える」
- 子飼いのゲールを推挙した
- ゲールが失態を見せた
- ゼーリックはデスラーに対する面目を失いかねないので怒っている
「本人がそう言っているよ」
「ところが、ゼーリックを深めていくと実は微妙に違うニュアンスがあることが見えてくる」
「というと?」
「ゼーリックは実際にはデスラーに対する反乱軍を支援しているのだ」
「ならば実際はどうなの?」
- ゼーリックは反デスラーであるがそれを隠している
- デスラーに心酔するゲールを取り立てたのは、反デスラーの立場を隠すためのカモフラージュである
- 従って、ゼーリックはゲールに反乱計画を知らせていない
- ところがゲールが予想外の失態を見せた
- ゲールの失態は推挙者のゼーリックの責任問題になりかねない。ゼーリックは焦った
- もしも、ゼーリックがデスラーの反感を買ってしまうと、それまで隠してきた反デスラー派の一面まで見られてしまうかもしれない。それはまずい
「我がガミラスに敗北の2文字は無い!からゲールはダメなんじゃないの?」
「それもあるがニュアンスが違う」
「というと?」
「我がガミラスに敗北の2文字は無いから、ガミラス内部の抗争としてのみクーデターを考えていれば良いとゼーリックは思っていたのだが、ゲールは負けちゃったのだ」
「ひ~」
「しかし、そこからがゼーリックの偉いところだ。ちゃんと、デスラーはヤマトの夢中ということを見抜き、クーデターを起こす頃合いを見計らった」
「デスラーの死んだふりで負けちゃったけどね」
「ゼーリックの美学とギムレーの美学を比較して、ギムレーの美学の方がよりえげつなかっただけさ」
意外と端正 §
「このときのゼーリックは意外と端正な顔立ちに見える。声優の演技があれなので脂っこく見えるけどね」
「つまり、ガミラス版古代なのだね」
「声優の演技があれなので古代っぽくは見えないけどね」
なぜゼーリックはデスラーを讃えるのか §
「グリーゼ581のとき、ゼーリックは過剰にデスラーを讃えてディッツにたしなめられてしまう。なぜか」
「なぜだ?」
「あれは虚言なんだよ。心にも無いことを言っている。目的は自分の翻意をデスラーに対して隠すことだ。だから過剰にデスラーを讃える内容になっているが、内心デスラーなんてクソだと思っている」
「それで?」
「実はディッツもデスラーなんてクソだと思っている。クソだと思っているからUX-01を勝手に動かせる。思想的には同志なんだよ。でもね、ディッツは上手に嘘がつけない。だから、ゼーリックの虚言を許容できない」
「本質的にゼーリックとディッツは仲間なのだね」
「そうだ。だから、ゼーリックの死後、ディッツが反乱軍の親玉になれる」
「分かった。ゼーリックは虚言が上手すぎ、ディッツは実直すぎて馬が合わないけど、根っこは同じってことだね」
「そうだな」
「もしも、ゼーリックとディッツが最初から共闘していたらクーデターは成功したと思う?」
「無理だろう。ギムレーのえげつなさには2人足しても勝てない」