「烏山のコツが分かった」
「それはなんだい?」
「古そうな道を選んでいく。太い直線の道はダメ。曲がりくねった道を選ぶ」
「それで?」
「実は小墓地を発見した。名字は一貫していないから場所を示すぐらいはまあいいだろう」
「それで?」
「実はもう1つ小墓地を既に知っていた」
「結局なんだい?」
「つまりさ。烏山とはもともと神社が多く墓地も多い土地だったのだ。そして非常に多くの小規模墓地があったのだ。それが烏山の特徴だな」
「下高井戸方面も寺が多いじゃないか」
「あれは引っ越してきた寺が多いのでまた別だな。もともと多かったわけではない」
「でもさ。そんなに神社ばかり乱立して墓も増えるのは非効率じゃないの?」
「おそらくね。もともと複数の地域を支配していた複数の氏族の有志が連合して開拓したのが烏山じゃないかと思う。元の氏族が元々持っていた神さまを連れてきたのではないかと思う」
「それって確実?」
「いや、ただの想像」
「ダメじゃん」