「ななな、なんとー」
「それは単なるダジャレ」
「君には何か言うことはあるかい?」
「第七章では、直前に合唱が入って印象が食われちゃったので、リベンジのチャンスがあるのはいいことだ」
「それで水樹奈々って期待したい人なの?」
「そうだな。歌にもよるが、凄い歌は凄い」
「ふーん。じゃあ君は何を望むの?」
「水樹奈々さんが映画のエンディング歌うなら、レイトン教授と永遠の歌姫を越えてくれないとやだ……。とワガママを言っておこう」
「僕が調べたらレイトン教授と永遠の歌姫って映画の主題歌はジェニス・カトレーンってなってるよ」
「馬鹿者。それは作中のキャラクターの名前だ。そのキャラクターは水樹奈々が演じているのだよ」
「えー。スティーブン・タイラーみたいなものかと思ったよ」
「どうせならアメイジング・グレイスみたいなのを歌って欲しいよな」
「それは新しいガンダムかい?」
「ケンプファー・アメイジングでもザク・アメイジングでもねえ!」
「じゃあ、ガーンズバックの」
「アメージング・ストーリーズでもねえ!」
「アメちゃんなめる?」
「もはやアメしか合ってない」
だがしかし §
「でもね。ここでレイトン教授と永遠の歌姫のラストを持ち出すのはあながち間違って無いかもしれない」
「なんで?」
「この映画のラストシーンは、真犯人となるおっさんが警官に捕まる前に【最後に1曲だけ】と言ってオーケストラの音を1台で出すという万能楽器を弾き始める。するとヒロインの歌姫が歌い始める。しかし、歌詞はない。「あ」だけで歌い続ける。それに最後のレイトンの台詞が重なって状況を総括する。その後で本当のエンディングが始まるが、そこまでずっと曲と歌が続く。そのままエンディングの主題歌になるのだが、そこで初めて歌詞が乗る」
「つまり何が言いたいんだよ」
「最後に女声ボーカルのスキャットで物語を締めてそのまま主題歌にシームレスに繋がったらそれはヤマト的に最高の構成じゃないかね」
「本当にそうなると思う?」
「それは分からない。あくまで再編集版の【追憶の航海】の主題歌だ。映像素材が限定されるので、別の構成の方が上手くつながる可能性もあるしな。それに他の選択肢は常にあり得るよ」
オマケ §
「ちなみに、君は水樹奈々ファンかい?」
「そうでもないな」
「証拠は?」
「アルバムを1枚も持っていない」
「じゃあ、レイトン教授ファン?」
「そうでもないな」
「証拠は?」
「レイトン教授で買った唯一のゲームである奇跡の仮面プラスがずっと止まったままだ」
「なんで買ったんだよ」
「キャンペーンで安かったから」
「ぎゃふん」
「じゃあ、なぜこの話題」
「この映画のエンディングへの入り方の自然さはトップクラスの出来の良さだからな。凄く印象に残る」