「見てきたぞ。大正10年頃、渋谷町水道が建設した水道管専用トンネル岡本隧道の入口」
「どこ?」
「岡本民家園の裏の方。民家園に来ていながら全く民家を見ていない人に、そこにいた係員もビックリだ」
「民家は見ないのかよ」
「前に来たときに見たよ」
「えー」
「そして、そこから砧下浄水場までの直線的な道を自転車で走り、そこの周囲を一周してきたよ」
「それに意味があるのか?」
「意味なんて無いよ」
「それからどうした?」
「急いで帰った」
「なんで?」
「いろいろ用事もあるし、空模様も怪しいし」
「結果はどうだった?」
「砧公園付近で雨に降られた」
「えー」
「雨が止むまで雨宿り。ところが桜上水でまた降られた」
「えー」
「まあ、他にチェーンも外れたし、酷い状況だったけど、それでも満足だ」
「水道用隧道の入口が見られたからだね」