「トモネコさんからの強いリクエストがあったので語ろう」
「分からないと言ったのに語れることがあるのかよ」
「それがあるのだ」
「何を語れるのだ?」
「分からなかった点だ」
「ぎゃふん」
何が分からないのか §
「たとえばね。山本と兄との回想が入っていたり、山本とメルダのキャットファイトが消滅して、その代わりメルダが山本を殴ったりしている。これらは、何かの意図が会って描かれたものと思うが、今のところ何を描こうとしてそうなったのかが分からない」
「赤いペンダントに遺伝子が入っている話などだね」
「単純にアニメに足りない情報を補完しているだけならそれはそれで語れるのだが、同じ着地点を目指していないのは明らかなので、まずはどこを目指しているのかを把握するのが先決ということだ」
「つまり、木馬が北アフリカ戦線に向かうか、ジャブローに向かうかで戦局は大きく変わるわけだね」
「そうだ。特に山本の位置づけが大きく変わってきているので、山本だけでもアニメとは違う落とし所が用意されているはずだが、それは予測しがたい。しかし個々のシーンの意味は結末から遡って解釈される。物語は終わるために始まるのだ。人物がうまく描けることは分かっているが、その描写が適切かというのは、終わってみないとワカランのよ」
「もっと分かりやすく言うとなに?」
「アニメのヤマト2199で自分としては補強した方が良いと思った部分、良く出来ているので特にそれ以上いじる必要を感じない部分が一致していないので、どう解釈しているのかが今の段階では読めない。それは旅の中盤以降で伏線を回収する段階に入ってはじめて見えてくるものだろうと思う。そこで、様々な描写の意味というものが突然浮上してくると思う。しかし、それは物語としては普通のこと。起承転結の承の部分は世界を分かって頂く部分であり、それだけでは意味を持たない。転でひっくり返されるからだ」
「分かった。今の段階で【分からない】ことはノーマルであって、なんら欠陥や問題を意味しているわけでは無いのだね」
「そうそう。むしろ、それは好ましい特徴」
それにも関わらず §
「それでも何か言えることはあるだろう」
「そうだな。ゲールの顔がいいよ。表情豊かで」
「本音を隠した策士より分かりやすくて良いわけだね」
「ちなみに、ゲールとゼーリックの関係もアニメの2199とは違うようなので、語りがたい。しかし、ゲールは上手く描けているよ」
「ゲールは表情がコロコロ変わって面白いから、結末が読めなくても関係なく面白いわけだね」