2014年10月02日
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三百字小説『高齢刑事ジジババン』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 彼は少年刑事だった。コンバットスーツをわずか0.05秒で装着して少年刑事ジャリバンになることができた。

 しかし、聞き込みに出ても、経験が足りないからいつも重要な情報を聞き落とした。

 「経験豊富な刑事に変身したい!」

 そこで、彼は高齢刑事ジジババンのコンバットスーツを手に入れることに成功した。これさえあれば、経験豊富なノウハウが利用できる。

 喜び勇んで彼は聞き込みに出た。

 聞き込みを開始するにあたって、彼は高齢刑事ジジババンに変身した。しかし、装着には5分かかった。高齢者は手が遅いのだ。

 そして、いざ聞き込みを始めると、相手の言うことがよく聞き取れなかった。

 高齢刑事ジジババンは耳が遠かったのだ。

(遠野秋彦・作 ©2014 TOHNO, Akihiko)

遠野秋彦