2014年11月04日
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ガミラスの芸術史

Written By: トーノZERO連絡先

Subject: ガミラスに「芸術」はあるのか?

Keyword: 【▲→トーノZERO→アニメ感想→宇宙戦艦ヤマト】

URL: http://mag.autumn.org/Content.modf?id=20141026083613

名前: トモネコ

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本文:

「勝手に談話室(汗)」

トーノ様、お仕事にヤマトーク三連発

大変、お疲れ様ですm(__)m

いつも鋭いお考えのめとろん様の御意見に私も参加させて貰えないでしょうか?

ガミラスに「映画」は無いのでは?に付いてですが、私は有ると思っています。

メルダが尋問で無反応なのは「名前と階級以外答えるな」の軍規、命令からと思います。ガミラスも映像で情報、感情を伝えています。

(ヒルデのビデオレターやデスラーの演説の時の巨大立体映像など)

なので映画、ドラマ的な物は存在すると思うのですが..

もしかするとフィクションの話を楽しむ文化は無かったかもしれませんが、植民惑星より輸入もあるのでは?

ガミラスも人類と同じ描写がされています。

立派な「芸術」があるので「映画・文学」も..

「芸術」の話が出たので1974ゲールのコレクションは「退廃芸術」か?

ゲールのモデルのヘルマン・ゲーリングはヒトラーが「退廃芸術」と嫌

った「近代美術」も評価して隠し持っていたそうです。

(退廃芸術についてウィキより)

ドメルも嫌ったゲールのコレクションは実は高価で貴重な作品だったのかも(^_^;)

「まず、古代とメルダの会話で、【映画】の意味が通じたのかどうかについて」

「【通じた】【通じない】の問題だね」

「いや。実はもう1つある」

「それはなんだい?」

「【翻訳機が翻訳できなかった】」

「それはあり得るのかい?」

「あり得るだろう。語彙の収集が不十分なら、伝わらない言葉だってある」

「じゃあ、ガミラスに芸術はあってもおかしくないわけ?」

「おかしくないだろう」

「じゃあ、どんな芸術が好まれたのだろう?」

「退廃芸術の話をガイドにすれば、以下のようになる」

  • 健康的な太陽の健全な世界。つまりイスカンダル的な光景が好まれる
  • ありのままのガミラスを描くことは好まれない

「穴の空いたガミラスの光景は好まれないわけだね」

「そう。理想はイスカンダル」

「それはデスラーの理想?」

「そう。デスラーのスターシャに対する憧憬が背景にある」

「でもさ。そんなデスラーの個人的な価値観がベースだと、他の人は違うかもしれないよ」

「そうだ。だからゲールは違ったようだ。屈折したガミラス人の心情を抽象的に表現したような作品ばかりが並ぶ」

「でも、それは社会から好まれないわけだね?」

「そうだ。単なる個人の嗜好の問題なら、ドメルはゲールに【片付けろ】と言うだけで良いはずだ。しかし、破壊した。これは個人の嗜好ではなく、政策的に好ましくない美術品を集積していることを示すのだろう」

「ではドメルはどう判断したの?」

「ゲールが成果を出せない理由は、好ましくない文化に手を出しているからだと考えたのだろう。従って、まずは綱紀粛正だ。そのためには緊張感を持たせるために演習を実施する」

「演習は成果を出せなかったよ?」

「そうだ。理想であったはずのイスカンダルがヤマトに味方したからだ。ドメルは侮り難しと日記に書かざるを得ない。しかし、それでもゲールに対する侮蔑は止まらない。なぜなら、ドメルにはまだヤマトに勝てる算段があったからだ」

「三段?」

「三段空母じゃねえ! 算段だ!」

「どんな算段?」

「宇宙要塞などで嫌がらせをしながらバラン基地で仕留める作戦だな」

「じゃあ、ゲールは間違っていたの?」

「本人の意識の中で間違ったという認識は無いだろう。ドメルの価値観は単純化しすぎていて奥行きが無い」

「その結果としてどうなるの?」

「少しだけデスラー総統へご注進してやり返す。だが、その結果としてバラン基地も人工太陽も失われ、ヤマトは取り逃がす。ドメルにもゲールにもデスラーにも想定外の惨敗で終わる」

「浪費はしない……というのがイスカンダル的な美徳なのだね」

「そう。しかし、デスラーの価値観に従って生きているつもりでいつのまにかずれていたドメルは浪費に手を染めてしまった。それに気づいたゲールはご注進できる。するとドメルがゲールを否定したように、デスラーもドメルを否定してしまう」

「そうか。分かったぞ。浪費を戒めて否定するからこそ、七色星団に行くドメルは空母4隻しか与えられないんだ」

「しかし、通常野蛮人の戦艦一隻を沈めるのに、空母4隻は十分な戦力だろう。けして少なすぎるわけではない」

「【質素倹約】という4文字を想定すれば、主力艦隊をバランに置き去りにするような無理な展開が無くてもドメル艦隊は成立するわけだね」

「そうだ。そこから逆算して考えると、ヤマト1隻を仕留めるためにあの大艦隊を動員したことそのものが【質素倹約】に反するわけで、実はドメルはデスラーの考えの表面的な部分を分かっていただけで、本質は何も分かっていなかったのかも知れない」

「で、結局なんだい」

「ドメル、ゲール、デスラーの3人はバラン基地喪失に関する同じような負い目を持ってしまう。この時点でこの3人は他の誰かを否定できなくなってしまう。負い目があるからだ。だから、デスラーはドメルの処刑に同意できないし、ゲールはドメルの忠実な副官に変化してしまうが、ドメル自身もそれを受け入れる。ドメルも既にゲールを否定できないのだ」

「ドメルとゲールが急に仲良くなっちゃうのはデスラー総統への負い目があるからだね」

「同時に、デスラーは2人に対する負い目があるから、2人とも首を切れない。戦って死ねとは言えないのだ」

宇宙戦艦ヤマト

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