2014年11月10日
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感想・映画「太平洋の鷲」

Written By: トーノ・ゼロ連絡先

「これはビックリした」

「これはなに?」

「1953年のモノクロ映画。おそらく山本五十六ものとしては最初の映画」

「どこに驚いたの?」

「あり得ない描写は多いが、生々しさにおいてはおそらく最強。ともかく、終戦から10年経ってないのだ」

「ちゃちな特撮でも、煮え切らない描写があっても、本物の生々しさがあるってことだね」

「そうそう。山本五十六の指揮下で隼が離陸しても、ミッドウェー島にイギリス機がいても、第2次攻撃の要有りと打電するのが九六陸攻でも泣いちゃダメだ。なんか他の映画のフィルムを転用したらしい」

「でも生々しいんだね?」

「そうそう。ともかく、戦時中の映画のフィルムを使ったり、本物の戦争の記録フィルムを使ったり、時代の空気がそもそも実際の年代に近いから、空気感がもの凄く違う。本当の従軍経験者がゴロゴロいた時代だから、いちいち言葉遣いも切れ味が違う」

「見どころはどこ?」

「三国同盟が必須であると説得する連中の切れ味が違う。単なる悪役ではない。それから、下駄履きの九三中練が編隊離水するのが泣けるね」

「九三中練ってなに?」

「赤とんぼだよ。モノクロ映画なのに赤く見える!」

反戦という問題 §

「結局、これも反戦映画なんだよね」

「戦いの快感の映画では無いわけだね」

「負けると分かっていて、負けに向かって進んでいき、最終的に山本五十六は死ぬのだよ。戦争っていやだねえ。やりたがる連中は阿呆だね」

「またそこに戻るのだ」

「時間を戻すと自動的にそこに戻るのだ。それだけ敗戦は鮮烈な出来事だったのだ」

「それが理解できな人達にはどうすればいいと思う?」

「もう1回敗戦を経験すれば嫌でも分かると思うよ。生き延びられたらの話だけど」

「ひ~」