「今回の目玉はなんだい?」
「負け犬である自分を肯定することで逆説的に格好いい三太くん」
「でも、他に見どころがあった感じだな」
「船がかなり良い感じでちゃんと描いてある」
「なんだそりゃ」
「2階建てバスも良い感じだ」
「バスがどうした」
「こういう地味な描写に力を入れて積み重ねると、臨場感が出て良いことだと思うぞ」
「たとえば?」
「バスにWELCOME TO MIHASHRAって描いてある。歓迎の観光バスだが、ゾンビへの防壁になる。そもそも、脳天気に楽しめる観光地でもない。かなりの皮肉が入った描写だ」
「皮肉がいいわけだね」
「そうそう。綺麗事を綺麗に描いたって当たり前すぎてつまらん」