2014年11月30日
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続・感想・映画「FURY」【ネタバレ注意】

Written By: トーノZERO連絡先

Subject: 感想・映画「FURY」【ネタバレ注意】

Keyword: 【▲→トーノZERO→映画感想】

URL: http://mag.autumn.org/Content.modf?id=20141128150225

名前: トモネコ

本文:

「まさに、シャーマン地獄道!」

私も今日、観て来ました。

トーノ様のお書きの通り、まさに..予告のイメージではもっと娯楽アクション要素

の強い作品と思っていました。

映画を観る前はシャーマンのプラモを買うつもりでしたが、模型製作意欲が湧く作品では無かったです。

ネットの意見もありましたが、ガルパンで戦車を好きになった若いオタクにも観て欲しいです。

戦車プラモマニアの目で見ると

・戦車内での排泄(カリウスの記述にあり)

・車内での肉片、血糊の掃除

・通信アンテナが引っ掛からないように気を付ける

・戦車は歩兵を同伴させないと陣地制圧が出来ない

・ハッチから身を出すと狙撃される(カリウスの記述にあり)

・敵も味方も戦車に引き殺される

戦記を読んで知っていた事でしたが、映像は説得力があります。

当時の戦車兵に話を聞いたのでは?

宮崎監督のオットー・カリウスの記録「泥まみれの虎」

を実写にした感じです。

宮崎監督は登場人物を豚にして逃げましたが、リアルに実写にするとこうなるのかと感じました。

映画的には

・手づかみで目玉焼きを貪り食うシーンは押井監督の「アバロン」そっくり

・タイガーとの一騎打ちは漫画チックでイマイチ

・ブラピが太って人相が違って見える (役作りでわざと?)

・SS(ナチ)だけを悪者にしている

・昔ならブラピが死ぬ前、ギリギリで援護が到着

・神を否定しているようで、最後は肯定

・劇場観客は地元では、ほぼ御老人でした

・映画でなければ、最後の戦闘は乗員は戦車を破壊し

 撤退したと思います (作品としては説得力不足か)

今の時代、戦争映画は色々と難しいのでしょうね。

「君はどう思う?」

「別に今更模型を作ろうなんて思わなかったけどな」

「なんで?」

「シャーマンマニアは既に作っていて当たり前」

「ぎゃふん」

「それよりも、シャーマンの構造をきちんと理解した描写の数々に、【自分がこれまでシャーマンの模型を作ってきたのはこの映画を見るためだったのか】と思ったよ」

「内容の悲惨さに作る意欲が無くなったのではないの?」

「そういうことはぜんぜん無い。シャーマンの映画が見られて嬉しい」

「内容が悲惨でも?」

「戦争はもともと悲惨なものだ。この程度でビックリしていてはいかんよ。シャーマンがもぎ取った連合軍の勝利とは死体の山の上に成立しているのだ」

「つまり、受けた印象はぜんぜん違うわけだね?」

「そうそう。でも見ているところはたぶん同じようなものとかね。きっと、戦車に乗ってる歩兵(タンクライダー)とか、市街戦とか、おそらく同じところを見てる」

「でも印象は違うわけだね?」

「おそらくな」

「シャーマン対ティーガーはイマイチだと思った?」

「思った思った。都合良くあっさりとティーガーの後に回り込めすぎる」

「で、君が見た時客層はどうだった?」

「みんなおっさん。中年から老年の男ばっかし!」

「ガルパンブームで舞台になった場所に人が押し寄せるんだろう? なんで戦車に映画に若者は来ないんだよ」

「当たり前だ。彼らが見たいのはガルパンであって西部戦線ではないからだ」

「ひ~」

「戦車道とか称して【道】にした時点で、戦車趣味は死んだな。まあ、弓道や剣道が辿った道を繰り返しただけだがな。どこも目新しくない。ついでに言えばそれは負けフラグだ。【道】では戦争に勝てん」

オマケ §

「ところで、ティーガーの後に回り込めすぎるって言ってるけど、君はティーガーの前と後の区別が付くのか? まさか主砲が向いている方が前だとか」

「実は区別できる。きちんと色も塗っていないが、ティーガーも1両作っているからだ。主砲が後ろ向きなら、それは見れば分かる」

「ぎゃふん」

「ティーガーより4号。4号よりM4。そういうことだよ」