「ヤマト2199はこれで終わりだとヤマトクルーの会報でも、プレミア上映会でも念を押された。ヤマト2199は終わるのだろう」
「それで?」
「始まってから終わるまでの間、本当に様々な出来事があり、紆余曲折があった。要するに、最初から完成形であった復活篇やSBヤマトと異なり、現在進行形で完成形を模索し続けたのがヤマト2199ということだろう。そういう意味で、どこに着地するのかすら見えていなかった」
「それは良いことなの?」
「良くない。試行錯誤の過程まで付き合って見る必要は無い」
「ひ~」
「……という話はさておき。ヤマト2199が最終的に到達した境地は【宇宙戦艦ヤマト2199 40th Anniversary ベストトラックイメージアルバム】だろう」
「方舟じゃなにの?」
「まあそれは横に置くとして」
「置くな!」
「ともかく、ヤマト2199としてはこれが最高の商品だろう。質が歴然として高い」
「世間の評価は高くないよ」
「【不滅の宇宙戦艦ヤマト】と同じだよ」
「ディスコアレンジだね。でもなぜ?」
「ワープだよ。ヤマトファンがいる時空からワープしてしまったのだ。そのワープの加減が【不滅の宇宙戦艦ヤマト】と同じぐらい」
「ワープ?」
「過去、ヤマトがワープしてしまった音楽はいくつかある。しかし、正当なサントラは除外しよう。その他と言うことになるとおそらく以下のタイトルが該当する」
- 不滅の宇宙戦艦ヤマト
- 合唱組曲ヤマト
- ラプソディ3部作
- アコースティックヤマト
「このリストの新たなタイトルが増えたわけだね」
「まあ実際、不滅の宇宙戦艦ヤマトはヤマト2で使用されたので承認されているが、他のタイトルが承認されているかは微妙だ。ラプソディ3部作やアコースティックヤマトは語られることがあまり無い」
「でも良いのだね?」
「音楽的な質は凄く高いよ」
「質が上がって支持を失うとはこれいかに」
「よくあるパターンだ」
「えー」
「大ワープしてしまうと、多くの人達が脱落する。そういうこと」
「君は平気なのかよ」
「そうだよ。だって、おいらはヤマト時空の外側からヤマトを見る人だから。相手がヤマト時空から飛び出したって別に困らない」
「ってことはなに?」
「不滅の宇宙戦艦ヤマト発売時の阿鼻叫喚の再来さ」
「ひ~」
「【こんなのヤマトじゃない】【私の感動を返して】的な意見で満ちあふれるかも知れないと思ったが、みんな大人になったらしい。もっと間接的に不快感を表明しているよ。Amazonなんか評価は星3つばかり」
「じゃあ要点を」
- いろいろな音楽が詰まっていて楽しい
- エレキギターも楽しめる
- エレキじゃないギターも楽しめる
- 英雄の丘等の独自のアレンジも最高
- 【ヤマトより愛をこめて】はオリジナルを含めてこれが一番好きかも
葉加瀬太郎の問題 §
「葉加瀬太郎って良く知らない」
「いいのかよ、それで」
「音楽を聴けば分かる。CDが納得できたからオッケーだ。もう細かいことで何も言わない」
「でも文句は噴出しているわけだね?」
「おいらはこのCDを買った。納得した。ヤマト2199が到達した最終的な高みだと承認した。おいらから言えるのはここまでだ。他の人がどう思うかなんて、良く分からないよ」