「1944年の戦争協力映画であり、検閲を通過して公開され、本物の空母や飛行機も出てくるにも関わらず、凄く厭戦感の漂う映画だ。いいねえ」
「どんな映画なんだ」
「結局陸攻は全機敵艦隊に突っ込んで果てる。司令官は【飛行機の補充が間に合って良かったね】などと、暢気なことを言っている。非常に恐ろしい映画だよ。これを見て戦争賛成などと言えるものか」
「それは何を意味するんだよ」
「対米戦を始めてはアメリカはすぐに厭戦ムードになると楽観していたが、実際に厭戦ムードになったのは日本の方なのだろう」
「ひぇ~」
「それにしても、生々しさは今どきの戦争映画とはひと味違うね。何しろ戦争中なのだから。まさに現在進行中に出来事を映画にしている」