「レマゲン鉄橋を見て良く分かった。これがヤマト2199の特にドメル関係の元ネタ。ヤマト1974に存在しない展開は、主にここから持ってきたと思って良いだろう」
「どういうことだい?」
「ドイツ心臓部に至るライン川の鉄橋は残り1つ。そこを守備するドイツ部隊と攻撃するアメリカ部隊の攻防だ。ここを抜かれると首都が危ない。しかし、戦力は僅か。老人と子供ばかりではないが、老人とクズばかりと言われる。増援は来ない。ドイツ側主人公は、上司の将軍から【やってくれるね、エルク】と橋の防衛を頼まれる」
「それで?」
「総統の命令は橋の爆破だが、味方が撤収するまで橋を守ろうとしたことで、有無を言わさぬ恐い人が出てきて、主人公は逮捕されて銃殺刑。【ドメルに死刑判決が出たぁ~】という感じだ」
「有無を言わさぬ?」
「ヒスみたいに、いきなり説明無しにドメルに撤退要求する感じで」
物語リメイク論 §
「物語をリメイクする場合、方法論が2つある」
「2つとは?」
「1つは、核を残して見た目を刷新する方法。これがリメイクでは多い方法。ガッチャンもデビルマンもそう。ヤマトの場合、SBヤマト、復活篇はこの方法論。デメリットは、ファンがコレジャナイと思う可能性が高いこと」
「もう1つは?」
「見た目を残して核を入れ換える方法。見た目がそっくりなので、ファンがコレジャナイと思う可能性を減らせるが、核が違うので他に場所に連れて行かれる」
「それで?」
「ヤマト2199は第2の方法論だった。つまり、見た目を残して核を入れ換えた」
「分かった。ヤマトの見た目を残しながら核をレマゲン鉄橋に入れ換えたのがヤマト2199だってことだね」
「ガミラス側はね。地球側はギャラクティカに入れ換えた感じだろう」
「で、追憶の航海は?」
「核をヤマトに引き戻した」
「方舟は?」
「方舟は、核をスタートレックに入れ換えて作られたと思えば良いだろう」
最終的に残された問題とは §
「リメイクの方法論として、どちらの方法が正しいとも言えない。主流は第1の方法だが、第2の方法が間違いとまでは言えない。あっても良い」
「では何が問題なんだい?」
「ヤマト2199は死が軽い。古代守が死ぬとき全員が喜んで古代守にういていく。ドメルが死ぬとき全員が喜んでドメルについていく。ギムレーは達観して【これが死か】と言って終わってしまう。ゲールは死を明確に意識することなく、騒ぎながら死んでいく。古代守が死ぬときスターシャに包まれて死んでいく。沖田が死ぬとき、結局魂がコスモリバースに入るだけ。みんな死が綺麗すぎる」
「それで?」
「だからさ。方舟ではダガームが味方を撃ち殺すのだが、ダガームは明らかにバカなので追い詰められた感じがしない。墓穴を掘っただけ。やはり死が軽い」
「ひ~」
「しかし、だからヤマト2199はダメなのだという批判と思われても困る」
「なんで?」
「軽すぎる死はヤマトの定番だから! というかアニメの定番だからさ。漫画の定番と言ってもいいね。みんなが喜んで見ているものは、大半が【死が軽い】のだよ」
「たとえば?」
「死んでも妖怪になって生きているジバニャンとか」
「ひ~」
「とりあえず、ドラゴンボールを7つ集めるとみんな生き返っちゃうアニメとか」
「ひ~」