「なぜまた世田谷美術館に?」
「たまには美術館で生の美術品でも見ないと目が腐ると思ってね。愛宕の湧水を見た場所が砧公園の近くだったので、帰りに世田谷美術館に寄った。自転車圏内にある割に、行った回数がそれほど多くないのよね」
「それで何があった?」
「【難波田史男の世界イメージの冒険】【世田谷に住んだ東宝スタジオゆかりの作家たち】の2つ」
「感想は?」
「どちらも面白かったぞ」
「どこが良かった?」
「【難波田史男の世界イメージの冒険】はね。若いってことが何を意味するのか良く分かった。父親も芸術家だから技術もセンスもあるが、でも若い」
「他には?」
「小さい絵を大量に並べるのはちょっとどうかなと思った。絵と対話するにはちょっとうるさい感じ。それに、多すぎて見切れない」
「もう1つは?」
「【世田谷に住んだ東宝スタジオゆかりの作家たち】はね。作家によって異なる高峯秀子像が描かれているのが面白かったね」
「でも世田谷と東宝スタジオに関係あるの?」
「世田谷美術館から東宝スタジオは遠くない。と言うか、昔、東宝スタジオ方面から自転車で帰るときにデタラメに走っていたら砧公園に出たことがあるぐらいだ」