「最近、シナリオに問題のある映画を何本も見ているので、そこは不快だった。口直しとして丁度良かった。これは良い映画だ」
「シナリオだけ?」
「いいや。格好良さ。生々しさ。女性士官の凜々しさ。軍艦描写の正確さ。更にはソードフィッシュ。どこを切っても良い映画だ」
「女性士官の凜々しさとは?」
「もの凄く緊張感がある。萌えアニメの自称女性軍人とは別物だよ」
「軍艦描写の正確さとは?」
「たとえば、形が違う戦艦や巡洋戦艦が何隻も出てくるが、全部形が違う。巡洋艦、駆逐艦も手を抜いていない」
「間違いも多いらしいよ」
「それでも、生々しさは今どきの映画とは全く違う。実際にビスマルクが沈んだときまだ生きていた人間が山ほどいた時代の映画だ。ビスマルクは見ていなくとも参加艦艇や航空機を見たことがある人はいくらでもいただろう。それに映画は映画なのであって、歴史そのものではないよ」