2015年02月05日
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三百字小説『殺人集団アンマ団』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 アンマ団は殺人集団だった。

 といっても、別にマッサージ師の殺人集団というわけではない。

 有間(あんま)さんの一家がやっている個人営業の殺人集団でしかない。

 さて、この家に生まれると赤ん坊のうちから殺人術を仕込まれる。小学生に上がる頃には既に初の殺人をこなし、まさに殺人エリートだった。

 しかし、3代目になって風向きが変わった。彼は餡饅が大好きで、しかも婿養子に入って名字が変わった。

 おかげで周囲の人達は、餡饅が好きだからアンマ団だと誤解するようになった。

 3代目は餡饅を頬張りながら愚痴った。

 「あんまんあんまんって、それはあんまりだ」

 アンマ団よ永遠なれ。

 あんまり期待はできないが。

(遠野秋彦・作 ©2015 TOHNO, Akihiko)

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