「リミッターを取り払って自転車で遠くまで行こうと思ったが、前々から興味があった浅間山をターゲットに選んだ」
                    「タイトルは盛り沢山だよ」
                    「順に説明する」
                    
                    
                    
                    
                    
                    近藤道場撥雲館 §
                    「人見街道を走っているといきなり目に入って思わず戻ってしまったよ」
                    「それはなに?」
                    「天然理心流第4代近藤勇の養子近藤勇五郎が1876年(明治9年)、近藤勇の生家の向かいに開いた道場だそうだ」
                    「府中よりも手前なんだね?」
                    「そう。人見街道沿い」
                    
                    
                    浅間山 §
                    「案内板によると、古多摩川が削り残した台地らしい。山頂が3つあって、3つともまわってきた。高いところで電信で無線をやってる人がいた」
                    「標高80メートル足らずなんだろう?」
                    「そうだよ。でもね。全部歩くとかなりの距離になる。自転車を1時間以上漕いで行ったあとで登る山じゃないと思ったよ。かなり大変」
                    
                    
                    浅間神社 §
                    「浅間山の3つの山頂のうちの1つは浅間神社」
                    「だからどうした」
                    「お参りしてきたが、階段を上がるだけで息が切れた。たった80メートルと舐めて掛かると痛いぞ」
                    「ひ~」
                    
                    
                    人見四郎の墓跡 §
                    「浅間山には【人見四郎の墓跡】という碑もあった」
                    「いろいろあるんだねえ」
                    
                    
                    調布IC §
                    「一度調布ICを見ようと思っていた」
                    「なんで?」
                    「ここまでは自転車で行ける……と踏んでいたからだ。その証明だな」
                    「帰りに立ち寄ることにしたんだね」
                    
                    
                    帰り §
                    「ショック。自転車の後の荷台に脱いで入れておいたジャンパーが消えてしまった」
                    「なんでだよ」
                    「途中で暑くなって脱いだのだがね。飛ばないと確認して入れておいたのだ。でも、いつの間にか消えていた。けっこう逆走して探したが無かった」
                    「それなら自転車で行っても安く上がらないじゃないか」
                    「たぶん、突風が吹いたときだなあ。前進するために漕ぐだけで精いっぱいだったから、後にまでは注意が向いていなかった」