「最初は面白いのだけどね。まあそれなりに潜水艦映画だし。フランケンシュタインを研究しているあたりでも、あれは人間なのか研究対象なのかで葛藤があって面白いし。でもねえ。やはり最後の方はつまらなくなってくるなあ」
「どこがつまらないわけ?」
「悪者怪獣が出てきてフランケンシュタインが退治してくれるが、ヒーローとしてのフランケンシュタインに居場所はない。結局タコが出てきてフランケンシュタインごと海に落ちる。めでたしめでたしだが、予定調和でありすぎる」
「何か他に面白い話をしてよ」
「戦車は61式中戦車だった」
「他に何か」
「この映画では、フランケンシュタイン博士はフランケンシュタイン博士だが、フランケンシュタインの怪物はフランケンシュタインなのだ。フランケンシュタインは作った人の名前だが怪物の名前でもあるのだ。フンガー」
「分かりにくい形でねじれているね」
「だが、あの怪物イコールフランケンシュタインという名前という常識が根強かった時代なのだろう」
「なるほど」
「というわけで次に行くぞフランケン」
「フンガー」